アコースティックギター/梅雨時期の湿気対策(ネック反り防止)
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梅雨時期の湿気について
今回は梅雨時期のトラブルと湿気対策について解説します。
ギターは湿気によってトラブルが起きると弾きにくくなります。
結果、初心者の場合は挫折する原因にもなります。
梅雨時期のトラブル・湿気対策を知ることでギターに対する考えが変わります。
「知っている」「知らない」では全然違います。
“神経質”になる必要はありません。
知ることが大事です。
この記事でわかること
- 梅雨時期のトラブル
- 梅雨時期のトラブル対策
ギターの湿度管理【必要性と乾燥対策】上記の関連記事では冬場の乾燥対策について書いています。
是非、合わせて読んでみて下さい。
湿気はどんなトラブルにつながる?
3つのトラブル
梅雨の時期が来ると部屋の中はジメジメしてなんか嫌な気分になります。
それはギターも同じです。
湿気を吸うとギターはどうなる?
- ネックが反る
- トップが膨れる
- 金属パーツが錆びる
主に3つです。
エレキギターの場合は金属パーツがたくさんあるため錆び問題は大事です。
アコースティックギターの場合は金属パーツが少ないので、錆びよりネックのトラブルが問題です。
「順反り」と「逆反り」の違いを解説
ネックのトラブルには3つあります。
- 順反り
- 逆反り
- ねじれ
湿気によって起きるトラブルは「順反り」もしくは「逆反り」です。
えっ?どっち?と思った方もいるはずです。
ギターによって両方あり得ると言うことです。
割合的には「順反り」の方が多いとされています。
自分のギターがどっちに反っているか判断するにはヘッド側もしくはエンドピン側から見ればわかります。
真っ直ぐにして見ることでネックの状態がわかりますが、正直難しいです。
ネックが反るとわかりやすい症状が出ます。
それは弦高の高さが変わることです。
逆反り:弦高が低くなる。
ギターネックが反るメカニズム
ギターというのはほとんどの箇所が塗装でコーティングされています。
塗装されていないのがローズ系の指板になります。
メイプル指板の場合はコーティングされていることがほとんどですが、アコースティックギターでメイプル指板はほぼありません。
指板は木がむき出しなので湿気を吸うことで膨張し、ネックが反る原因になります。
指板が乗っているネック裏はコーティングされているので湿気に強く膨張しません。
ボディの内部を覗き込むとネック側にレンチで回せる金属のバーがあります。
これを回すことで調節できます。
※トラスロッドが入っていないギターもあります。
ネックの反りは湿気が抜けると指板の膨張が戻るため、もし調整するのであれば少しずつ様子見ながら行ってください。
回しすぎると正常な湿度の時に反ってしまいます。
梅雨時期の対策
湿度を40〜60%に調整
ギターの適正湿度は50%前後と言われ、人が快適に過ごせる湿度と一緒です。
出来るだけこの数値を目標にします。
現状の湿度を確認するため「湿度計」を準備してください。
どのような物でもOKです。
湿度計はギターの近くに置いてください。
機種や置き場によって数値上バラツキがあるのであくまで目安です。
エアコン・除湿機の稼働
エアコンまたは除湿機を使う方法が一番効果的です。
冬場のエアコンはギターの敵ですが、梅雨時期は積極的に使いましょう。
エアコンの風が直接ギターに当たらないようにしてください。
乾燥しすぎて割れる原因になります。
楽器店はエアコンや除湿機を24時間稼働できますが、一般家庭でギターの為だけに稼働させるのはなかなか難しいです。
その場合は少しでも風通しの良い場所に置くことがポイントです。
ギタークロスで乾拭き
水滴がつくほど放置することはないと思いますが、こまめにギタークロスで水分を拭き取ることが大切です。
特にライブ後や練習後は必須です。
ボディ全体はもちろんですが、特に指板は念入りに拭いてください。
これは梅雨時期だからするのではなく、”ギターを弾いたら拭く”ということを習慣にしておけば良いだけです。
指板保湿でコーティング
冬場の乾燥防止に使われるイメージですが梅雨時期でも活躍します。
指板が水分を吸う前にオレンジオイルなどでコーティングします。
レモンオイルは酸が強いので汚れ落し効果はありますが、保湿に関してはオレンジオイルか島村楽器の指板オイルが効果的です。
湿度調整剤を使う
湿度調整アイテムは様々販売されており、多少の効果はあるとは考えられますが調整剤を使っているから絶対大丈夫とは言えません。
あくまで補助的役割です。
そして自分を安心させるアイテムです。
私は普段GUITAR BREATH2というアイテムを使っています。
メリットが沢山あります。
・使い切りではなく何度も使える。
・立てかけ、横置きのどちらでも使える
オールシーズン使えるのでオススメです。
ギターブレス(GUITAR BREATH2)使い方を解説
保管方法
ハードケースの場合
湿度の影響を受けにくいハードケースに入れたほうがいいのでは?と思いますが必ずしも良いとは言えません。
ハードケースは完全密閉ではないですし、空気の流れがないため逆に湿度がたまる可能性もあります。
常に入れっぱなしではなく、定期的に出してやることが大切です。
できればハードケース内に湿度調整剤を入れておくと多少安心です。
弾き終わった後、ケースに入れる前にボディや弦の汗をクロスで拭き取ることも大切です。
しかしその拭き取ったクロスをケースの中に閉まっていませんか?
私も以前まで写真のようにしていたのですが、これではケース内の湿度が高くなります。
そのため拭いたクロスは別管理してください。
ハードケース内の湿度に関して検証した面白い記事を書いている方がいます。
私もよくブログを読ませて頂くのですがマニアックで読んでいて面白いです。
是非、読んでみてください。
参考
ケースの有無による温湿度変化の違いギターでハッピー!
ギタースタンドに立てかけておく場合
ギタースタンドは「立てかけ式」だとネックに負担がかかるので、「吊り下げ式」にしましょう。
「吊り下げ式」はギターヘッド付近で固定されているのでネックが真っ直ぐになります。
楽器店で吊り下げでいるのはこういう問題が背景にあるからです。
ただし!
「立てかけ式」と「吊り下げ式」はどこまでネックへの影響に違いが出るかは不明です。
「吊り下げ式」にしたからトラブルが起きないとも言えない。
「立てかけ式」がダメとも言えない。
あくまで理論上の話です。
最後に
今回は梅雨時期の湿気対策について解説しました。
正直、どんな対策を取ってもネックは反る時は反ります。
木は呼吸しているのでしょうがないです。
ギターは簡単に壊れないのでそこまで神経質になる必要はありません。
もし壊れても楽器店に頼めば直してくれます。
この知識があることでギターに対する接し方は間違いなく変わります。
私のブログ内のメンテナンス記事を書いた時、毎回言っていることがあります。
ギターを弾いてやることが1番のメンテナンスです。
- 梅雨の時期はネックが反ることがある
- 弦高が高くなったら順反り
- 弦高が低くなったら逆反り
- 適正湿度は40〜60%
- 人が心地よい環境がギターにも最適
- 湿度計を準備して目安にする
- 湿度にそこまで神経質になる必要はない
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