ギターを弾き終わった後弦は緩めるべきか?

弦は緩めないor緩める?

ギターを弾き終わった後弦は緩めるべきか?

はじめに

ギターは弾き終わった後、弦は緩める?緩めない?

ギター経験者や自分の考えがしっかりしている人は自分のギターは緩めるべきなのか、緩めないべきかの判断がつきます。

しかしまだその考えがまとまってない人にとってはどちらにしたらいいのか迷います。

私もそうでした。

初心者でなくてもギターを弾く人にとっての永遠のテーマではないでしょうか?

今回はそんなテーマについて考え、少しでも悩みを解消していきます。

あくまで私、個人の考えとして見てください。

トラブルの原因

「弦を緩める」「緩めない」はどんなトラブルにつながるのか?

  • ネック状態が悪くなる。
  • ボディのトップが膨らむ。
  • ブリッジがはがれる。


以上のトラブルになると影響は?

  • 演奏性が悪くなる。(弾きにくい)
  • 弦がボディまでうまく伝わらずギター本来のサウンドが出せなくなる。

もちろん「緩める」「緩めない」の理由だけで上記現象が必ず起きるとは限りません。

しかし原因の1つとして考えられるのは間違いありません。

アコギの張力はどれくらい?

ペグとブリッジ間で約70kgの張力があるとされています。
※エレキギターは約40kg

張力は弦交換をした後に強く感じます。

チューニングする際にどんどん力が加わって、こんなに締めて大丈夫なのかと心配したことないでしょうか?

実はその時、ものすごい強い力が加わっていることになります。

そのためネックが反ってしまう現象が起こります。

ネックが反るとは?

3つの種類があります。

・順反り
・逆反り
・ねじれ
今回の緩めると緩めないで考えた時に、起こるのは”順反り”になります。

上の画像を見てください。
矢印の方向に力が加わりネックもその方向に反ってしまう現象です。

※反る原因は他にも湿度などの影響も考えられます。

順反り”はどんな影響があるのか?

弦高が高くなり演奏性が悪くなる。

初心者であれば弾きにくいことで挫折する原因の1つにも繋がります。

反りを直す方法
最近のギターにはトラスロッドというものがネックに入っています。

ボディの内部を覗き込むとネック側にレンチで回せる金属のバーがあります。

これを回すことで調節できます。

しかしギターによってはトラスロッドが入っていない場合もあります。
その場合はプロのリペアマンに任せるしかありません。

膨らみの原因

弦で引っ張られていることで、ボディと接着しているブリッジがネック側に引っ張られ沈みます。

沈むことでブリッジ奥側が持ち上げられ、接着しているボディも持ち上げられることになります。

画像の赤丸の所が膨らんできます。

では膨らむことで起きるトラブルは?
ブリッジが持ち上げられるので弦高が高くなります。

膨らみを直す方法
ほぼない!

ヒーター(熱)などを使い大掛かりなリペアを行えば直るとされますが、その効果は一時的のようです。

ヒーターを使うことで塗装やブレイシングを傷める原因にもなります。

またリペア代が高額のため、そこまで手を掛けるギターなのか判断する必要があります。

膨らみを直さなくても演奏性を高める方法はあります。

実際に私の所有するギターで紹介します。

YAMAHAのFG-180というギターでトップ膨れが発生。

解決策としてブリッジとサドルを作り直しました。

トップの膨れた分、ブリッジを薄くして、尚且つサドルも低くしました。

結果、ブリッジを薄くしたことで音量(ボリューム)が減ってしまいました。
薄くするとこの現象は必ず起きてしまうことを覚えておいてください。

この対処方法だと新たなブリッジ・サドル制作費と調整費なので数万円でできます。

もう1つの方法としてはネックを一度ボディから外してリセットし直す方法です。
この対処方法だと10万円超えます。

そのためギターによってはリペア代の方が高くついてしまうことも…

注意
昔の荒業として、膨らんでいる所に重い物を乗せて直したという噂を聞いたこともあります。

しかしこれは絶対マネしないでください。

緩める・緩めない2つの考え方

弦は緩める派

上記で触れたようにアコースティックギターは約70kgの張力があり、常にボディに負担がかかっていることを説明しました。

緩める派の考えとして、単純に引っ張れている力を緩めてやればトラブルを軽減できるという考えです。

やはり毎日の蓄積から起こる現象だからです。

そのため少しでも軽減対策できるならやっていこうという意図があります。

特に高級ギターと呼ばれるものはトップが単板で出来ているので尚更膨らみやすいとされます。

現在は安価なギターもトップのみ単板で出来ているギターも多いです。

問題も…

ギター本体への影響ではないのですが、弦を毎回緩めることで弦が切れやすくなります。

弦を毎回緩めたり締めたりするので弦への負担は大きいです。
特に1~3弦あたりが切れやすくなります。

安価な弦だとその現象は起きやすい印象があります。

弦は緩めない派

もともとギターは張力に耐えられるように作られているので緩める必要がないという考え。

ギターに常に緊張感を与えておくことでネックを保てる。

ネックが反るのはギターの品質が悪いから(制作過程で問題あり)という考えもあります。

以下にブログ読者さんから情報を頂きました。
情報提供に感謝致します。

Taylorの場合

Taylorでは「弦を緩めないで保管してください」とホームページに記載してあるようです。

ざっくり説明すると、弦を緩める、緩めないはトラブルの原因にはならない。それよりギターを保管する環境の湿度管理が大事だと言っています。

※ホームページに細かく解説があるので気になった方はチェックしてみてください。
参考 ギターの保管管理方法についてTaylor

確かに言われればそう思うことあります。

しかし張力が約70kgもかかっていれば全く影響がないとは言えないと私は考えます。

ウォーターロードの場合(特殊な例)

ソロギタリストの岸部眞明さんシグネチャーモデル(ウォーターロード)はトップが特殊な構造になっているそうです。

弦の張力が無い場合はトップが凹み、張力がある場合にトップがフラットになる構造。

なぜこういう構造になっているかというと岸部さん本人が弦を緩めるのがめんどくさいと言っていたからのようです(笑)

ただ見た目ではわからないレベルだそうです。

※この特殊な構造はウォーターロード全てのギターにあるかは不明です。

私が導き出した結論

私の経験から導き出した答えは毎回緩める!

ですが、正直毎回弾き終わった後に緩めるのはめんどくさい。

そこで以下の考えで私は行っています。

  • 毎日弾くのであれば緩めない。
  • 当分弾かないのであれば緩める。
  • ギターの状態を見極めて決める。


以下でもう少し詳しく説明します。

毎日弾くのであれば緩めない


緩めないほうが毎日ギターに手を伸ばしやすいです。

ギタースタンドに常にかけてある場合は尚更です。

チューニングがほぼ決まっているのでギターを弾くことが身近になります。

結果、ギターが上達するポイントになります。

5分だけ少し弾きたいなとなったとき、わざわざチューニングする時間がもったいない(めんどくさい)

当分弾かないのであれば緩める。


ギターを何本も所有すると弾かないギターがどうしても出てきます。

では当分とはどれくらいの期間?

まず自分の中でギターが弾ける環境にあるのか、ないのかの判断は大体見当が付きます。

ここは完全に私の考えですが
1週間以上弾く予定がなければ緩めます。

どれくらい緩める?

ペグを1回半~2回ほど回す程度

この回数は以前マーチンメンテナンスクリニックに行った際にクロサワ楽器のスタッフさんに聞きました。

そして均等に緩める必要がある。

均等にしないとネックのねじれの原因にもつながるからです。

均等に緩めておけばもし反った場合でも直しやすいようです。

ギターの状態を見極めて決める


ギターは千差万別です。
同じ状態のギターは存在しません。
そのギターにあった方法をとりましょう。

弦が切れることが多くなる

私が所有するYAMAHAのFG-180を例に見てみましょう。

ギターによっては毎回緩めると弦が切れやすくなることがあります。

私のFG-180は2弦だけが特に切れやすいギターでした。

切れやすさは弦の品質や張ってからどれぐらいの時間が経過したのかにもよります。

そのため2弦だけ緩めず、他の弦は緩めるという方法をとりました。

人によってはバランスが悪くなるという方もいるかもしれませんが1〜3弦程度なら問題ないとプロの方に聞いたのでこの方法をとっています。

弦の太さ


弦のゲージ(太さ)によっても変わります。

エクストラライトかミディアムではギターへの負担が間違いなく違います。

ほとんどのアコギメーカーは”ライトゲージ”を推奨しています。

ではそこに一番太いミディアムを張りっぱなしにしたらどうなるのか?

張力が大きい分ギターへの負担も大きくなります。

チューニング


ソロギタースタイルの場合、レギュラーチューニングではなく特殊なチューニング(オープンチューニング)が使われます。

ほとんどがダウンチューニングと呼ばれ、チューニングを下げます。

しかし例外も!

ソロギターを演奏する方であれば変則チューニングで4弦を1音上げる場合もあります。

4弦ともなれば弦がある程度太いので、ペグを回した時に「キンキン」と鳴り出し、怖いと感じることも多々あります。

こんなに張って大丈夫かと少し怖さもあります。

こういう場合は弾き割った後せめてレギュラーチューニングに戻した方が良いでしょう。

特殊な場合

ギターを発送する場合は弦をダルダルに緩めて発送した方がいいようです。

長期間弾かないからといって弦をギターから外すのはあまり良くないとされています。

最低限ダルダルでもいので張っておく必要があるようです。

ダルダル状態にすることはギター本体の負担を減らす効果はもちろん、弦への負担も減らすことができ品質を保つことが可能となります。

エリクサー弦など長期間使える弦の場合は特に効果がありそうです。

これも読者さんから教えて頂きました。
是非、参考にしてみて下さい。

最後に

正直、このテーマに正解はないです。

各個人の考え、メーカーの考えなど全てバラバラだからです。

またブランド、品番、生産月まで同じでもその後の環境はギター1本1本違う。

人と同じですね!

  • たくさん弾かれたギターなのか
  • 常にケースに閉まってあるギターなのか
  • 飾ってあるだけのギターなのか

ポイント
ギターの使用歴や保管条件によって変わります。
そのため人によって”緩める”と”緩めない”の考えは2つあって当然です。

最後に一言!

ギターを弾いてやることが一番のメンテナンスです。

6 COMMENTS

zizi

もりそうさん、こんにちは
前回記事を読んで静電ブラシをamazon物色中のziziさんでしたw

僕ももりそうさんと同じく手元に置いてるときは緩めず、長期保管中は緩める派です
「アコースティック・ギター・メインテナンス・ガイド プロの現場の調整術」によれば、
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1遡間以上弾かないようなら、全弦を1音程度ゆるめておくと安心である。あまり多めに一一例えばl音半とか2音分とか一一ゆるめても、ベグを回す而伺lが増えるだけなので、1音分でよい。下げ帳よりも大切なのは、全弦を均等に落とすこと。そうすることで、長期保管中もネックには使用時と同じ方向へ力が加わることとなるので、反るにしても波打ったりねじれたりはしにくくなるはず。
ベロベロにするなとしてゆるめすぎると、それはそれでネックが自由に動きすぎてしまい、ねじれや波打ちを起こすことにもなりかねない。ほどほどの弦テンションがかかっていれば、ネックは一定の方向ヘ引張られているため、反ったとしても修理しにくいねじれや波打ちは起こりにくく、比較的修理しやすい順反りとなるはず。弦をゆるめてストレスを減らすことは大切なのだが、やみくもにゆるめるのではなく、適度にゆるめることが大切となる。
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とありますが、僕は長期保管ダルダル派(笑)
ギターのためというよりは、緩めてさえおけば何年でも持つエリクサーの保護ってこともありますが、ダルダルで数年経過してギターの方がおかしくなったこともないです
ただ、taylorのように「緩めないように」と注意書きのあるギターもあるようですから、弦のゆるめ方は「所有者の考え方+制作側の指示」ってことでしょうか
ちなみに、うちのtaylorは2本ともダルダルですけど(笑)

自動車輸送時は上記の本でももりそうさんと同じく「ダルダル」が安心だそうです
ただ、最近はヤマトも佐川もハードケース無しでは受付もしてくれなくなってます。輸送時のトラブルって思う以上に多いのかも知れませんね

しかし、こうしてギター保管についていろんな人の考えを聞けることは「答えがない」だけにとても貴重ですね
いつも感謝してます!!!!

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もりそう

ziziさん
こんにちは!
長文ありがとうございます!
勉強なります。
taylorって緩めてだめなんですね!
ブランドによっても対応が異なるのでどれが正解なのかわかりません。
また弦を緩めることで弦の品質を保つ役割もあるとは。ギターのことばかりで弦の事は考えたことなかったです!
新たな発見でした!
こちらこそありがとうございます!
ziziさんから頂いた情報は後で追記させてもらいます(^ ^)

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deiqun

こんにちは
張りっぱは理想ですが個体によりますよね、なんともないものからすぐダメになるものen guitarの店主は1弦と3弦切れるから緩めないと言ってた気がします、それぞれ様子見ながら判断してるんですが、なんともなかったメインギターが季節の変わり目に急におかしくなりやっぱり 少しでも緩めるのがいい気がします。
もりぞうさんには今後 名機 について語って欲しいです、D18 ovation sj-200 yw-1000 B-25 安物買いの銭失いなのでこれからは歴史的名機を狙っていきたいので 、とりあえず自分では買えないので、もりぞうさんに買って頂いて レポお願い致します。

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もりそう

deiqunさん こんばんは!
やはり季節の変わり目はトラブルが起きやすいのかもしれませんね。
個人的考えですが、新しいギターと古いギターでも変わるような気がします。古い方が安定しているイメージ…
私も欲しいギターはいっぱいあるのですが、なかなか…
最近は安物買いの銭失いです。

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