Martin OM 試奏レポート

御茶ノ水楽器

Martin OMを弾く比べる

はじめに


御茶ノ水の楽器店を回りMartinのOMを中心に試奏してきたので、OMを購入、検討している方に少しでも参考になればと思います。

※今回は以下の楽器店を巡りました。
御茶ノ水楽器御茶ノ水アコギおすすめ店(6店舗)

ギターによって同スペックでも状態や引き込み具合でサウンドが異なります。

あくまで参考程度に見ていただければと思います。
※ギターの撮影許可は頂きました。

なぜOMなのか?
以前、ワタナベ楽器 京都本店さんで矢後憲太さんが演奏していたOM-28 Customのサウンドが素晴らしく魅了されてしまった。
今後、手にしたいと思ったからです。
OMとは?
ボディサイズがOOOと同じでネックスケールがDと同じという仕様のギターです。
ボディが小型なので女性でも抱えやすい。またDサイズのスケールということで張りのある音が特徴です。
愛用者として斎藤誠さん、福山雅治さん、Yui、ジョンメイヤー

Martin OM-28 Custom

Top:Sitka Spruce(Premium)
Side Back:Guatemalan Rosewood
Nat Width:44.5mm
Fingerboard:Ebony
Bracing:Scalloped X-Bracing
Vシェイプネック
1930年代をモデルに再現したギター

感想

トップのシトカスプルースの木目が細かく素晴らしい!
まさに霜降りスプルース。

正直、ここまで霜降りなのは見たことなかった。
弾いた瞬間…いい…

パリッとしたサウンドで低音もあり素晴らしい個体だった。
ネックもVで個人的には弾きやすい。

今までトップはアディロンダックスプルースがベストな選択と思っていた私だったが一気に心掴まれた。
シトカもありだと!
もちろんグレードが良いものに限りますが!

また最近のMartinで多いのがサイドバック材にグアテマラローズウッドを使用したもの。

グアテマラローズウッドとは
マダガスカルローズウッドより甘くなく、ココボロより硬くないようです。
ちょうど良いとこどりのローズウッドといった所でしょうか。
またこのグアテマラローズウッドは現在レギュラー品の製品には使用されておらずカスタムモデルに使用されています。
ネット上にもあまり詳しく載っていないので参考にするなら以下のワタナベ楽器さんのページがオススメです。 参考 アコースティックギターワタナベ楽器店 京都本店

どうやらMartinはグアテマラローズウッドをかなりまとめて仕入れたようです。
買い占めたという噂も…

またこのグアテマラローズウッドはMartinが最近使い始めたということで、いい柾目の物が多いようです。

以前、Martinがマダガスカルローズウッドを使い始めた頃は柾目の物が多かったですが、現在は在庫が少なくなりつつあるのでグアテマラローズウッドにシフトしているとか…

今なら柾目の良いグアテマラローズウッドが手に入るようです。

Martin OM-28 Authentic

Top:Adirondack Spruce(VTS)
Side Back:Madagascar Rosewood
Nat Width:44.5mm
Fingerboard:Ebony
Bracing:Authentic 1931 X Bracing
Authenticシリーズ

1931年製ギターを細部まで採寸し、当時の製法で作られたギター。
Authentic(オーセンティック)=本物という意味があります。
まさに究極の復刻・再現ギターといっても良いと思います。

ベッドにはMartinロゴが無く、裏面にMartinのロゴがスタンプされている仕様です。

参考 Authenticの魅力に迫る!!クロサワ楽器

感想

ヴィンテージトーンシステム(VTS)加工なってるため、レギュラー品から比べると抜けが良くすごい良い音だと感じました。

ヴィンテージトーンシステム
VTS加工は2015年に発表になったMartinの新しいシステムです。
簡単に言えば新品ギターをヴィンテージギターのようなサウンドに近づける加工。

VTS加工は「M1」と「M2」の2種類
M1=1930〜1940年代のマーティン黄金期を再現したもの。
M2=1800年のマーティン社創設期を再現したもの。

※国内ではYAMAHAの「A.R.Eシステム」に当たると思われます。

しかし、これを弾く前に上記のカスタム品を弾いてしまったので印象が薄くなってしまいました。

トップとサイドバックが違うので正確には比較できないですね。
全く違うキャラクターのサウンドだと感じました。

トップのアディロンダックスプルースですが素人の私でもわかるくらい木目の幅が広いと感じました。

店員さんも「グレードはそれほど高くないですね、だったらグレードの良いシトカの方が良いかもしれませんね」
というコメントでした。

比較的新しいギターなので、これが経年劣化したときアディロンダックスプルースがどれくらい化けるのか興味はあります。

Martin OM-28 Cutaway Custom

Top:Adirondack Spruce
Side Back:Guatemalan Rosewood
Nat Width:45mm
Fingerboard:Ebony
Bracing:Scalloped X-Bracing Forward Shifted
Laurence Jube(ローレンス ジュバー)のシグネイチャーモデルのような見た目

正直、OMのカッタウェイは興味がありませんでした。やはりボディが削られている分音量が少ないと思ったからです。

しかし店員さんから「そんなこと全然ないですよ!弾いてみませんか?」と言われたのでこれは弾くしかないと思い試しました。

感想

音量が少ないというのは全然ない!

むしろソロギターをやるにはハイポジションまで使えるのでかなり戦力になるギターだと感じました。

こちらはアディロンダックスプルースということでパンチがある?

前にドン出るダイナミックなイメージでしょうか?

でもカッタウェイない方がやっぱり鳴るような気がしました。

指板にポジションマークがないですが、サイドにドットがあるので特に演奏に支障はないかと思いました。

ピックガードがないのでピックでガンガン弾くと傷つきます…

Martin OM-28 Cutaway Custom

Top:Italian Italian Alpine Spruce
Side Back:Guatemalan Rosewood
Nat Width:44mm
Fingerboard:Ebony
Bracing:X-Bracing Forward Shifted
OMの初期にあったピラミッドブリッジが特徴です。

感想

上記の物と比べるとアルパインスプルースということでアディロンダックスプルースより繊細な感じ?
やはり多少パワーが劣るかな?と言った感じでしょうか。

ただ、正直そこまで違いがわかりませんでした。
私の経験不足ですね…

Martin OM-28 Custom

Top:Adirondack Spruce
Side Back:Madagascar Rosewood
Nat Width:44.3mm
Fingerboard:Ebony
Bracing:Scalloped X-Bracing Forward Shifted

感想

この個体はカスタム品ですが、トップとサイドバックの仕様はAuthenticシリーズと同じです。

上記のOM-28と比べて一番違うのがネックシェイプ。
これはVではなく、丸みを帯びたシェイプなので持った瞬間太いと感じました。
これが音に太みも持たせるかもしれません。

またアディロンダックスプルースは鳴るまで(エンジンがかかるまで)30分くらいかかるんですよ!と説明受けました。
そらは知らなんだ…

Martin SOM-45

Top:Sitka Spruce
Side Back:Indian Rosewood
Nat Width:43mm
Fingerboard:Ebony
Bracing:Scalloped X-Bracing
オリジナルのOM-45が1933年に6本で生産終了し、77年に復刻したのがこのモデル。
とにかくこのSOM-45の数も少なく77年製は56本らしい。
※70年代には130本のみ生産

御茶ノ水にあることも珍しく、出会ったら是非弾いて欲しいギターと言われました。

ちなみにOMの前についているSはスペシャルを意味しているそうです。

エピソード
THE ALFEEの坂崎幸之助さんも昔このSOM-45モデルを所有していたようですが後に手放したそうです。
しかしそのサウンドが忘れられないとのこと。楽器店に入荷するたび坂崎さんに連絡するそうですが、「当時持っていたあのギターがいいんだよ」と言われるらしい!そんなエピソードもあるギターです。

感想

正直、パンチがない!
※音が悪いというのではなく、この個体を弾く前に現行品のOMを多々弾いてきたのでそれに比べるとです。
やはり新しいギター(若いチカラ)にはかないません。
人間と同じだと(笑)

こういうギターになると音がだいぶ出来上がっている。
使い方としてピックでガンガン弾くものではなく、ソロギターなどでしっとり弾いてやるとギターは喜ぶかもしれません。

また見た目はインレイがビッシリなので豪華仕様が好きな方にはオススメ!

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Martin OM-42 AR


Top:Italian Italian Alpine Spruce
Side Back:Amazon Rosewood
Nat Width:44.5mm
Forward Shifted:Ebony
Bracing:Forward Shifted Scallopped X Bracing

委託品だったので写真撮影はNGでした。
まずこの個体はけっこう珍しいスペックです。
トップにイタリアンアルパインスプルース、サイドバックにアマゾンローズウッド。

アマゾンローズウッド
ブラジル産のローズウッド。
店員さんいわくブラジリアンローズウッド(ハカランダ)と変わらないと言っていました。
正確にはサウンド、質感が違うんでしょうが…まぁブラジルのローズ系なので大まかな分類としては間違いではないと思います。現在この素材を使ったギターはなかなかないので希少価値は高いかと思います。

2003年に全世界20本限定で発売されたギターのようです。日本にはおそらく3本入ってきたかな?くらい少ないギターのようです。
当時の新品価格は120万円
現在は中古で60〜70万といった所でしょうか。

感想

正直、そこまで惹かれなかった…
確かに42シリーズらしい煌びやかなサウンドと美しい装飾は魅力的ですが、サウンドはスタンダードシリーズとそれほど変わらない印象。

楽器自体のコンディションが良すぎる。
この個体に関しては多少の傷はあったが、ほぼわからないレベル、ネック状態良し、トップ膨れなし!
たぶんそれほど弾いてないコレクションの物かもしれない。
そのためスペック的に引き込めば将来化けるギターかもしれませんね。
そのため、もし42シリーズを検討している方や珍しい個体をお探しの方にはオススメかと思いました。

Merrill OM-28 HerringBone


Top:Adirondack Spruce
Side Back:Brazilian Rosewood
Nat Width:44.3mm
Forward Shifted:Ebony
Scalloped X-Bracing Forward Shifted
Martinでないのですが、OMサイズにギターを探していることを伝えるとこのギターをススメられました。
メリルは1930年代のMartinヴィンテージサウンドに焦点をあてた海外ルシアーのギターです。
参考 MerrillBlueG

感想

スペック的には申し分なく実際弾いてみても良い音がした。
やっぱりアディロンダックスプルースとブラジリアンローズウッドの組み合わせは魅力的!

また、このブランドを買う人というのはすでにヴィンテージギターを持ち、現行品で使える良いギターを探している方に多いようです。
本当にギターマニアが買うブランドかもしれません。

最近ではpre-war guitarsMerrillがヴィンテージギターサウンドに最も近いブランドかもしれませんねと言っていました。このブランド自体が日本で扱っている所が少なく固体も少ないです。
価格は中古で100万円以下
新品だと130〜140万が相場のようです。

まとめ

今回の楽器屋巡りでわかったこと。
※あくまで私の個人的見解です。

材のグレード

ギターのトップはアディロンダックスプルースが最良の材だと思っていましたがそんなことはない。
(でもやはり魅力的ですけどね(笑))
シトカも良いし、イタリアンアルパインも良い!
もちろんこれは音の好き好きで、グレードによってもだいぶサウンドが異なる。
カスタム品を買うならグレードが高いこと越したことはない!
これは間違いない!

弾き比べは大事

カスタム品だから全て良いかというとそうでもないし、実際握って鳴らすまでわからない。

カスタム品は1点物が多いのでなかなか同機種を比べられないですが、それなら色んなカスタム品を弾き比べ、自分の中に知識を蓄えてみるのも良いかと思いますね。

レギュラーシリーズやAuthenticシリーズなら同じギターが数本ある楽器店に行き、並べて交互に弾き比べるのがオススメ!
もしくは楽器店をハシゴする。

Authenticシリーズを何本か弾きましたがどの個体もそれほど個体差がなく安定していることがわかった。
クオリティが高いシリーズだと改めて感じました。

※今回はレギュラー品、エレアコのE RETROシリーズは弾いて来なかったので今後弾き比べをやっていきたいと思います。

カスタム品の魅力

今回はMartinのOMシリーズを中心に試奏してきましたがカスタム品は良い。
値段も良い分、やはりレギュラー品より突き出てる印象です。

もし一生物のMartinギターを購入考えているならやはりAuthenticシリーズ、カスタム品、ヴィンテージになると思います。

以前、Martinのメンテナンスクリニックに行った際にクロサワ楽器店の方に言われたのは、
「皆さん、Martinのオーダーって高いイメージをお持ちかもしれませんが、意外とそうでもないんですよ」
「通常スペックから最低3ヶ所変更すればオーダー可能で50万円程度から可能ですよ」

と言っていました。
もちろん材のグレードや装飾をアップグレードすればドーンと上がることも!

マーチンメンテナンスクリニックマーチンメンテナンスクリニックとは?【Martinオーナー限定】

そのためMartinの一生物を購入・検討している方は自分だけのカスタム品をオーダーして手に入れるのもありかも!

Authenticシリーズや60年代のヴィンテージなら100万円前後しますからね!

Martinギターのオーダーは夢ありますね。
いつかはクラ○ン
いつかはMartinカスタム

カスタム品買うなら

個人的にカスタム品の品揃え、知識を持つスタッフの方がいるワタナベ楽器店 京都本店がオススメかと思います。
私は実際行ったことないんですけどね(苦笑)
山形からはさすがに遠い…

是非、Martinのカスタムモデルに興味がある方はとても参考になると思います。
Martinファクトリーツアーの記事なんかはマニアからしたら最高です。
参考 アコースティックギターワタナベ楽器店 京都本店

2 COMMENTS

zizi

大作のアップお疲れ様でした
興味深い内容で楽しく読ませていただきましたが、「なぜMartinを試奏に行ったのか」が書かれてなかったのは、新展開の軽い前振りと考えてよろしいのでしょうか(笑)
OMサイズは音の締まり方が絶妙で、自分もソロギにベストかなと感じます。ただ弾き語りで思いっきりストロークするときはDの方がなんとなく気持ちよい・・・やっぱり両方欲しい~w
もりそうさんのとこにはすでにDカスタムがあるから、OMカスタムがそろう日も遠くなさそうですね(笑)

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もりそう

ziziさん
いつもありがとうございます。
最初はこんな長く書くつもりなかったのですが、書いてる途中から楽しくなってしまいどんどん付け足してたらこうなりました(笑)MartinのOM欲しいんですよ〜ziziさんの言うOMの音の締まりですか?それが良いんですよね!Dとまた違った魅力が!ただ資金がないので…当分先の話です。スペックを妄想しながら楽しんでます(笑)

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