キョンセーム革クロスの使い方を解説【ホスコ/HOSCOをレビュー】
もりそう
- キョンセーム革を使うメリット・デメリットは?
- 高いけど買う価値はあるの?
- 本物・偽物の違いとは?
ギターのメンテナンスを行う上でギタークロスは最重要アイテムです。
中でもキョンセーム革は最も優れてたクロスとされています。
私はこれまで10種類以上のギタークロスを購入して試してきました。
今回の記事ではキョンセーム革の「メリット・デメリット」「使い方」「使用感」について解説しています。
記事を読むことで、価格が高いキョンセーム革を使う意味がわかります。
- ラッカー塗装に使える
- 天然コラーゲン効果で楽器が潤う
- クリーニング効果が高く、ポリッシュ不要
- 何十年も使えるので実はお得
- バイオリンや管楽器にも使える
- 形状上によっては拭きにくい
- 価格が高い
もりそう
使うだけで楽器が潤うし、ケースに入れて置くだけでも効果があるんだ!
洗えば何十年も使えるから実はお得なんだよ。
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キョンセーム革とは?
【セーム革の定義】
メーカーサイトより引用
セーム革として最上級とされるキョン種の鹿革を使用したセーム革クロスです。
0.00000015mmという非常に細かな繊維細胞
(人口繊維で極細と言われるものでさえ約0.002mm)で表面に傷をつけることなく汚れを拭き取ります。
さらに、セーム革に含まれる天然コラーゲン成分により、楽器の表面に潤いを与えます。
ポリッシュやオイルを使用することなく汚れをふき取り、しっとりと濡れたような艶を出しますので、ウェザーチェックのあるヴィンテージギター等にも安心してお使いいただけます。
クロスが汚れてきたら石鹸をつけてぬるま湯で洗い、日陰で干し、8割ほど乾いたところでクロス全体を揉みほぐすことで、独特の柔らかい使用感が持続します。
洗いながら使うことで10年以上使用可能になる場合もございます。引用元:HOSCO
以下の条件をすべて満たしていないとセームではありません。
類似品にご注意ください。
・鹿革を使用していること(キョン種が最高級)。
つまり豚革や羊革を使用したものはセームではありません。
→鹿革(特にキョン種)とでは繊維細胞のきめの細かさが違います。
・アルカリ膨潤なめしを施し、魚油還元を施したもの。
つまりどちらかの工程を省いたものはセームではありません。
→滑らかな手触りにするうえで欠かせない工程です。
・染色していないもの。
つまり黒や赤などに染められたものはセームではありません。
→染色することで魚油還元時に吸収されたコラーゲン成分が抜けてしまいます。
・吟面(鹿の1番表側の革)を使用していること。
つまり中面や中床面を使用したものはセームではありません。
→吟面のみがキョンセーム独特の能力を100%発揮します。
もちろんHOSCOキョン・セーム革はこの条件をすべて満たしています。引用元:サウンドハウス
キョンセーム革は天然素材で作られた高級クロスになります。
【キョンとは?】
中国や台湾に生息する体長70〜100cmの世界最小の鹿。
※最高級品は中国産のキョン
台湾産とはだいぶ品質が異なるようです。
セームクロスの中には「合成セーム」と呼ばれる製品もあります。
「セームクロス」=必ずしも「天然素材」とは限りません。
ホスコ製品の概要
今回紹介する「ホスコ」は高品質ということもあり、人気ブランドです。
近年、実店舗・ネットショップを見ても「品切れ」が長い間続いている印象を受けます。
貴重な天然素材で材料が入ってこないのも理由の1つと考えられます。
【サイズ】
私は「S」サイズを所有しています。
「S」は25×25の正方形が取れるサイズということで、実際に測ってみるとギリギリありました。
キョン1頭の皮を無駄にしないように製品は正方形ではなく、形状が1つ1つ異なります。
ホスコ製品には他にも「M」サイズがありますが個人的には「S」サイズでも十分使えるサイズだと感じました。
「M」サイズになると価格が5000円を超えるため、購入しにくいです。
【製品にキズがあることが本物の証】
キョンは気性が荒いのでツノでキズつけ合うため、製品にもキズが残っている場合があります。
実際、私が購入したものにもキズが入っていました。
これが本物の証です。
キョンセーム革の使い方
普段の使い方

製品を購入してすぐに伸ばす作業が必要になります。

革製品なので表と裏があります。
画像でかなりアップにしているので目の粗さがわかりますが、実際持ってみるとわかりにくいです。

滑りが良いのが裏面です。
※ブランド名がない方
こちらで最初にさらっとホコリなどを取り除きます。

滑りが悪い方が表面です。
※ブランド名がある方
こちらが最終仕上げに使う面になります。
実際使ってみると、表面が滑らないので拭きにくです。
クロスの形状も真四角ではないので、人工クロスよりは扱いにくい印象を受けます。
【ローズ系指板に使う場合】
表(吟面)を使うと油分を取りすぎてしまうので、裏面を使うのがオススメ。
その後オレンジオイル等でアフターケアすると尚良いです。
【メイプル指板に使う場合】
メイプル指板はコーティングされているので表(吟面)で拭いてOK!
アコースティックギターでメイプル指板というのは珍しいですが覚えておくと役に立ちます。
メンテナンス方法(洗い方)
軽く揉みほぐせば柔らかくなるのこれでまた使えます。
・お湯は40度を超えない
・洗う際にセーム皮同士を擦り合わせない
・洗剤を洗い流した後はキツく絞らない
・干す際は直射日光はNG
キョンセーム革の使用感を語る
使いやすさ
- クロスの形状が特殊
- 表面の滑りが悪い
- 表と裏を確認する必要がある
安価な人工クロスより使いにくです。
正方形や長方形ではないため、折り畳んでもキレイな形になりません。
元々、表面の滑りが悪いため、折って使用するとさらに摩擦で滑らなくなります。
キョンセーム革クロスを大きく広げて、手の平全体を使って拭いてください。
汚れの落としの効果
私のギターは常にキレイにしているのでそこまで劇的に汚れが落ちたという感じはありせんでした。
ポリッシュを使う場合はセーム革は使わないでください。
洗って何度も使えるコスパの良いモーリスのクリーニングクロスをポリッシュ用にして、最後の仕上げでキョンセーム革を使うのがオススメです。
セーム革クロスを育てる
セーム革は使ってなんぼ!
セーム革に限らず革製品全てに言えることです。
財布・バックなど使えば使うほど味が出るのと一緒です。
こんな人にオススメ
- ラッカー塗装のギターに使いたい
- ヴィンテージギターに使いたい
- ポリッシュ・オイルを使わずメンテナンスしたい
大事なギターをキズつけず、艶を与えて綺麗に保ちたい方はキョンセーム革をオススメします。
価格が高いので購入時はちょっと留まってしまいますが、長く使えば使うほどお得になります。
良いクロスでギターを拭くと「安心感」と「満足感」を得られます。
ホスコは楽器用メーカーなので品質は間違いないです。
島村楽器ブランド(HISTORY)にもセーム革クロスがあります。
ホスコに比べてサイズが小さく、価格も少し安いです。
島村楽器は全国に店舗があるので購入しやすいです。
使用者の声(口コミ)
・これ以上のクロスはない
・Sサイズで十分使える
・軽く拭くだけでツヤが出る
・値段相応の価値がある
・滑らないから拭きにくい
もりそう
多少のバラツキがあるのかもしれないね。
キョンセーム革クロスのまとめ
- ラッカー塗装に使える
- 天然コラーゲン効果で楽器が潤う
- クリーニング効果が高く、ポリッシュ不要
- 何十年も使えるので実はお得
- バイオリンや管楽器にも使える
- 形状上によっては拭きにくい
- 価格が高い
今回はホスコのキョンセーム革クロスを紹介しました。
ギターは普段のメンテナンスが大事です。
キョンセーム革を使うことで「汚れを落とし」と「艶出し効果」が得られます。
購入時は「高い」と感じますが、長い目で見ると実はかなりお得なアイテムになります。
使い方によっては10年使えるような製品です。
もりそう
キョンセーム革はやっぱり価格が高くてなかなか買えないという方は、フリーダムカスタムギターリサーチ/Polish Clothがオススメです。
ギタークロスの中ではキョンセーム革の次に品質・効果が高いクロスです。
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おお~~~、ついにセーム革ですね
ネットでは魔法のような威力!のような書き方をされているものもありますが
もりそうさんのお書きになってるのが実際の使用感なんだろうなって
妙に納得がいきましたw
やや使いにくいとのことですが、まだ新しいこともあるでしょうし、
滑りが悪いのも、汚れを落とすという機能の一つのようにも思えます
読ませていただいて「いつかはセーム革」の気持ちに変わりは無いです(笑)
でもまあ、長い目で見ればお得とはいえ、手が出しにくいお値段ではあります
ちなみに僕の常用クロスは1枚129円(^0^;)
https://item.rakuten.co.jp/proof-shop/29×35-proof/?scid=af_pc_etc&sc2id=af_105_0_10001288
「セーム革タイプ」というコピーが憐れを誘います(笑)
買い置きを使い切って本物セーム革にたどり着きたいですが
それまでギターを弾いてるか・・の方が切実な問題になってきましたw
ziziさん
ついに手を出してしまいました(笑)
まだ使い始めですが、そこまで感動するレベルではないように思えました。
記事の中にも書きましたが「自己満足」感は強いですね。
極論、弾き終わったあと小まめに拭けばどん物でもいいのかもしれませんね。
私はコレクターではないのであまり細かいキズは気にしないので!