アコースティック・ギター・メンテナンスガイド〜プロの現場の調整術〜

メンテナンスガイド

この記事には広告を含む場合があります。

記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。

アコースティック・ギター・メンテナンスガイド〜プロの現場の調整術〜

アコースティック・ギター・メンテナンスガイド


今回はアコースティック・ギター・メンテナンスガイド〜プロの現場の調整術〜を紹介します。

最初に言っておきます。

後にも先にもこれ以上のメンテナンス本はないです。

アコースティックギター・メンテナンス本の決定版(永久保存版)と言っても過言ではない。

今回、記事を書くにあたってリットーミュージックより画像使用の許可を頂きました。
本の構成など雰囲気を感じ参考にしてみてください。

この記事でわかること

  • メンテナンスガイドの中身
  • メンテナンスガイドのレビュー
  • メンテナンスガイドおすすめの使い方

アコースティック・ギター・メンテナンスガイドの基本情報

出版社:リットーミュージック
ページ数:126P
価格:本体2000円+税
監修:小倉良男

小倉良男さんが全面監修した本になります。

どんな人物?
アコギ好きならこの名前を見たことあるのではないでしょうか?
「アコースティック・ギター・マガジン」にも度々登場

渡辺香津美、吉川忠英、char、山崎まさよし、BUMP OF CHICKEN
など数々のアーティストのサウンド・アドバイザーとして活躍

楽器メーカーへの開発アドバイスをするなど、ギター界にはなくてはならない人物です。

アコースティック・ギター・メンテナンスガイドの内容

内容
第1章 愛機の総点検
第2章 プロの現場の弦交換
第3章 スタイル別/目的別セッティング
第4章 保管と運搬
第5章 目的別トラブルシューティング&モディファイのヒント集

はじめに(メンテナンスをやる意味)

自分でする意味

この一文を読むだけでもこの1冊の価値がありました。

最初から誰かの力を頼るのではなく「やれることはまず自分でやってみる」という考えを改めて気付かせてくれます。

自分で修理する時間があるならお金を出して早く直してもらいたいという考えもわかります。

  • メンテンスで失敗したくない
  • 高級ギターだから手を出すのがこわい
  • ギターを1本しか持っていないので早く直して弾きたい

もちろんわかります。

ですが自分ですることで自分の使う楽器をもっと好きになれます。

メンテナンスの意味を理解する

勘違いして欲しくないこと

メンテンス=「修理」ではありません。

もちろんその意味もありますが

メンテンス=「修理」+「トラブルを未然に防ぐ普段の手入れ」+「弾きやすいように調整」です。

そのためギターにトラブルがないから「自分には関係ない」ではなく、楽器を演奏する全ての人に当てはまります。

ポイント
この本では「修理」「トラブルを未然に防ぐ普段の手入れ」「弾きやすように調整」を学ぶことができます。

第1章 愛機の総点検

第1章はこの本の約半分のページを占めます。

この本のメイン!!

・不具合の見つけ方
・放置するか/すぐ直すか
・自分で直すか/プロに任せるか
・ネック/ナット/指板/フレット
・トップ/サイド/バック/ブレイシング
・ブリッジ/サドル/塗装
・電装系の点検
他多数

トラブルを未然に防ぐための知識

ポイント
第1章では各パーツの点検ポイントが書かれてあります。

この本を読み、知識を付けておくことでトラブルを未然に防ぐことが可能になります。

いつチェックするのか?

それは弦交換の時です。

弦を外した時が一番各パーツを見ることができるので弦交換の時にチェックしましょう。

トラブルの解決方法・調整方法

トラブルの解決方法があるので一通り読むだけでも勉強になります。

「自分で直すべきか」「プロに任せるべきか」どちらの選択肢を取るかすぐ判断できるようになります。

もう一段レベルアップ

ギター好きの中には「ナット」や「サドル」を自分で削って調整する方もいます。

しかしナットやサドルは弦と直接触れる部分のため「シビア」な調整が必要になります。

そのため知識がないと手を出しにくい。

結果、プロに任せる方が多いです。

この本では調整の「入口」を解説してくれるので、これを機に挑戦してもいいのではないでしょうか。

購入時のギター状態を知る

ポイント
ギターは弾きやすいようにセッティングして使う楽器になります。

特に私が読んで欲しいのが第1章、最後のページにある「購入時のチェック点&入手直後にすべきこと

通販でギターを購入した場合は初期セッティングで不具合があっても「今の状態」がギター本来のセッティングだと思い込んでしまう方がいます。

結果、弾きにくいためギターを弾かなくなり挫折します。

これを防ぐためにも最低限の知識を持つことが大事になります。

私はギターを10数本所有していますが、毎回購入時に忘れてしまいます。

例えば、珍しいギターに興奮してギターの状態よりも「その個体を買うのに意味がある」と考え購入してしまうパターン

結果、購入後に何万円も出して修理に出す…

新品・中古に関係なくギターを購入する際は完璧な状態だと思ってはダメです。

それを知ってる、知らないだけでもギター上達のスピードも変わります。

このページは初心者はもちろん、ギター経験者でも改めて読むことで勉強になります。

是非、読んでほしい所です。

第2章 プロの現場の弦交換

第2章では弦について詳しく解説。

・交換時期の判断方法
・弦の選び方
・弦の張り方
・弦のゲージ(太さ)について
・ナット潤滑剤/指板潤滑は必要か
・チューニングの基本
他多数

ここは「初心者向け」の解説です。

ある程度ギターが弾ける方であれば、自分で弦を交換したり、それに必要なメンテナンスを知っているはず。

初心者の方はここをよく読んでギター弦について勉強してみてください。

ただし…

「弦の巻き方」の所では俗に言う「マーチン巻」と「ギブソン巻」が混合しています。

解説を読むと4弦と3弦は特に切れやすいので変えているとあります。

小倉良男さんのこだわり(これまでの経験から)だと考えれれます。

※ちなみにソロギタリストの小松原俊さんもこの混合した巻き方を採用しています。

世間一般的には巻き方を1つに統一していることが多いです。

こだわる方は上記の混合したやり方を採用してみてください。

そして友人にドヤ顔で教えてあげてください(笑)

第3章 スタイル別/目的別セッティング

第3章ではメンテナンスと言うより「スタイル別の弦高」の解説です。

・フィンガー向けのセッティング
・ストローク向けのセッティング
・早弾き向けのセッティング
・ストリートで演奏する場合
・バンドで演奏する場合
・ラインで録音する場合
・マイクで録音する場合
他多数

弾き語りとフィンガーピッキングスタイルは演奏方法が異なるため、それに伴ったセッティングが必要になります。

速弾きをするのであれば弦高をギリギリにセッティングすることで演奏性が向上します。

しかし演奏性が向上する反面、ギターの音量が下がります。

好みのセッティングに調整するということはその反面デメリットも存在することを覚えておいてください。

ここで各セッティングのメリットとデメリットを学ぶことができます。

またライン録り・マイク録音についての解説ですが「オマケ」程度に考えてください。

録音をする上での最低限の知識の解説になります。

第4章 保管と運搬

第4章では弾き終わった後のケア、保管方法、運搬について解説

・基本となる演奏後のケア
・ステージやスタジオで弾いた後は
・野外で弾くなら
・湿度管理はどうする?
・短期・長期保管の基礎知識
・スタンドへ立てておく場合
・ケースへ収めて保管する場合
・運搬にまつわる基礎知識
他多数

一番重要です!!

なぜ?

全てのトラブルの原因はここにあると考えているからです。

演奏後のケアと保管

アコースティックギターは全て「木」で出来ています。

木は水分を取り込んだり、吐き出したりする性質があります。

そのため演奏後の汗(水分)をそのままにしたり、湿度が高い所に置きっ放しするということは「木が動く」ことになります。

結果、以下のトラブルにつながります。

  • ネックが歪む
  • フレットのバリが出る
  • 指板の割れ
  • ボディの割れ
  • ブレイシング剥がれ
  • 塗装の割れや白濁
  • 金属部品の錆び
  • インレイ剥がれ

以上のトラブルを防ぐメンテンス方法の解説です。

運搬について

意外とネットを調べても解説がないのが「運搬」です。

ソフトケース、ハードケースによっても異なります。

最近はギターをネットで売買することがすごく多くなりました。

自分のギターを査定してもらう場合や遠方のリペア工房に送る場合などあります。

それに伴い破損や紛失の心配も出てきます。

相手方に確実に届けるためにもここで知識を身につけておきましょう!

第5章 目的別トラブルシューティング&モディファイのヒント集


第5章はモディファイ(改造)の解説です。

・ステッカーを貼る
・ピックガードの交換
・チューニングキーの交換
・ブリッジピンを交換
・サスティンを伸ばしたい
他多数

改造のやり方と言うより、あくまで「こんなのがあるよ」の紹介です。
※実際の作業手順はありません。

初心者向け」です。

中級者であれば知っている事が多い内容です。

アコースティック・ギター・メンテナンスガイドをレビュー

内容のボリューム

この内容の濃さは他にはありません。

「アコーステック・ギター・マガジン」にこれまでメンテナンス方法はたくさん掲載されていました。

しかし、どの本にどの解説があったかというのは内容が多すぎて覚えていません。

これは今までのメンテナンス記事をより、さらに濃くした内容になっています。

アコーステック・ギター・マガジンを全巻持っている方でも満足できるボリュームです。

読みやすさ

実写・イラスト・文字から構成されているため理解しやすいです。

ただ読みやすいかと言われると…

ページによっては文字数が多いため読むのが大変です。

オススメの使い方

とにかく文字数が多いです。

片っ端から全部読んで行くとどこかで読まなくなります。

ではどのようにこの本を活用したらいいのか?

普段、ギターを演奏していて、何らかの違和感を感じた時に「コレってどうしたらいいんだろ?」

という時に参考書として開きます。

・冬って乾燥するからメンテナンスどうするんだっけ?
・チューニングが合わない場合は?
・なんか音がビビリるような気がする?
・弦の交換時の注意ってなんだっけ?

そんな時にピンポイントで読みたい箇所を開いて自分で解決すると頭に入ってきます。

ネットで検索すれば簡単に答えは出ます。

しかしネット上にたくさんある情報との一番の違いは「この本の解説はプロ直伝」ということです。

この本が全て正しいとは言いませんが、ネット上に溢れている情報からたくさん集めるよりは圧倒的に「早く正確な情報」を得ることができます。

購入者の声(口コミ)

良い口コミ
・初心者〜中級者向け
・1冊持っておきたい
・これ以上のメンテナンス本はない
悪い口コミ
・文字が多すぎる
・調べればわかることしかない
・上級者には物足りない

文字数が多いのは逆に考えれば情報量が多いということ。

調べればわかることしかないとあるが、この内容の濃さを各サイトから情報を集めるにはどれだけ時間が必要か…

それを考えるとこの1冊に収まっているのは凄い。

上級者とはどこを指すのか?

私は「作り手の人間」だと考えます。

作り手レベルまで求めている人はそもそも少ないはず。

それを考えると十分な内容だと私は感じました。

最後に


今回はアコースティック・ギター・メンテナンスガイド〜プロの現場の調整術〜を紹介しました

冒頭にも書きました。

アコースティックギターのメンテナンス本でこれ以上の物はない!

これは断言できます。

アコースティックギターを演奏する方であれば1冊持っておいて損はないです!

ポイント
この1冊に書かれてあることが絶対ではないと言うこと。

ギターはそれぞれ状態が違うため、メンテナンス方法も変わる場合があります。

この本で知識の基盤を作り、そこから色んな情報取り込んで自分だけのメンテナンス方法を見つけるのがいいのではないでしょうか!

今回はアコースティックギターのメンテナンス本を紹介しましが、この本が好評で後にエレキギター版も出版されています。

同じく小倉良男さん監修です。

エレキギターを所有している方はそちらも是非チェックしてみてください。

4 COMMENTS

zizi

こんばんは~

ね、ね、ね、すごいでしょこの本!!
僕もメンテについて何か書いたりするときは
この本の受け売りであることが多いです(笑)
全部を書いてあるとおりにするのは難しいかもですが
困ったときに頼りになる本が手元にあるっているのは
なんだか安心ですね~

返信する
もりそう

ziziさん こんばんは
この本は読み応えあって凄い本ですね!
本当に皆んなにオススメしたい1冊です。
私も今後のブログ内のメンテンス記事はこれが基盤になるのは間違いないです。

返信する
zizi

もりそうさん、こんにちは
先日うちのブログでカポの話が出てP-6Nをおすすめしたところでしたが
なんか気になってしまいPAGE CAPO P-6N仕入れてみました

まだ買ってなければ良いのですが(笑)
P-6N・・やや問題有りかなあと思える点があります
一応記事にしてみましたが公開がだいぶん先になりそうなので
下書きの画像を以下にアップしました
http://souto-p.com/P-6N.jpg
ご参考になれば幸いです!!!

返信する
もりそう

ziziさん こんばんは!
まだ買ってません(笑)
これは興味深い記事!
しかし、何かしら問題がありそうな感じですね。
本当に近いういちに購入を考えていたので、これは一度ストップかな…
本アップを楽しみにしています(^ ^)

返信する

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です