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- スロッテッドヘッドの弦交換のやり方を知りたい
- メリット・デメリットを知りたい
スロッテッドヘッドのギターを使っているけれど、弦交換が難しくて悩んでいませんか?
一般的なソリッドヘッドと違い、構造が複雑で初心者には戸惑うポイントが多いものです。
本記事では、スロッテッドヘッドの特徴から弦交換の手順、コツや注意点までを初心者にもわかりやすく解説します。
弦交換がスムーズにできるようになれば、音の安定やメンテナンスの自信にもつながります。

「難しそう…」と感じている人でも、この記事を読めば安心して交換にチャレンジできるよ。

スロッテッドヘッドの特徴


メリット・デメリット
メリット
- ヘッドが軽くなる
- 見た目が美しい
- 弦のテンションが安定する(弦を何周巻いても、ナットの乗る弦の角度が一定)
デメリット
- 価格が高くなる
- 強度が低くなる
- 弦交換がめんどくさい
スロッテッドヘッドとは、クラシックギターや一部のアコースティックギターに採用されている、ヘッド部分にスロット(溝)が設けられた構造のことを指します。
この構造により、弦を巻くペグが横向きに取り付けられ、弦を溝に通してから巻く必要があります。
一般的なソリッドヘッド(ペグが上向きに出ているタイプ)と比べ、構造がやや複雑なため、弦交換に少しコツが必要ですが、仕組みを理解すれば問題なく交換可能です。
一部のアコギにも採用されていますが、ヘッドの加工に手間がかかることから、圧倒的に少ないです。
アコギにスロッテッドヘッドが少ない理由
弦交換がやや面倒で初心者に不向き
スロッテッドヘッドは、弦をペグポストに通してから横向きに巻く必要があり、巻き始めの向きや通し方を間違えるとチューニングが不安定になります。
また、ポストが深い位置にあるため手が入りにくく、巻きにくいと感じる初心者も多いです。
その点、ソリッドヘッドは視認性が高く、直感的に弦交換ができるため、初心者にとっては圧倒的に扱いやすい構造となっています。
構造が複雑で製造コストが上がる
スロッテッドヘッドは、ヘッド部分にスロット(溝)を掘る工程が加わるため、製造に手間がかかります。
さらに、横向きに取り付ける専用のオープンギアタイプのペグを使う必要があるため、部品の汎用性も低くなります。
そのため大量生産に向かず、職人の手間が必要な分だけコストが上昇します。
これに対して、ソリッドヘッドは直線的な加工で済むため生産性が高く、コストも抑えやすいのが特徴です。
ヘッドの強度に若干の不安あり
スロッテッドヘッドは溝がある分、木材の厚みや質量が削られており、物理的な強度がやや低下する傾向があります。
特にスチール弦のような強い張力を受けるアコースティックギターでは、ヘッド部分にかかる負荷が大きくなるため、変形やクラックのリスクがわずかに高まります。
もちろん、適切な設計がされていれば問題は少ないですが、構造的にはソリッドヘッドの方が耐久性に優れるといわれています。
準備編
使用する道具

- ニッパー(必須)
- ラジオペンチ
- ストリングワインダー
- ネックスタンド
ニッパーは必ず準備してください。
ラジオペンチは必須ではありませんが、古い弦を外す場合や、弦を曲げる作業で役に立つので、あった方が便利です。
100均に売っている物で十分です。
巻く順番と巻き方
弦を巻く順番は決まってはいません。
ただし、巻く弦によって巻き方が異なります。
巻き方が異なる理由は、ナット付近にある6弦と1弦が他の弦に触れるため、からです。

詳細は「巻き方の解説」で解説しています。

今回は6弦、1弦のやり方、5弦、4弦、3弦、2弦のやり方に分けて解説するよ。
指板メンテナンス
弦を巻く前に、指板メンテナンスを行うことをオススメします。
指板は塗装されていないため、乾燥すると割れの原因になります。
オレンジオイルや指板オイルなどを使い保湿してください。
巻き方を解説(6弦/1弦)

作業効率を考えると、弦を入れる穴を最初に揃えておくと、作業効率が上がります。

6弦を巻く場合、隣の5弦ペグポストが目安になります。

目安にした所から弦を90度曲げます。
男性であれば、手で曲げることができますが、女性はラジオペンチを使うと楽に曲げることができます。

弦を曲げた所から、約1センチを目安に弦をカットします。



1周目はペグ穴より内側に巻きます。
弦は、少し引っ張りながら(テンションをかけながら)巻くと、キレイに巻くことができます。

2周目以降はペグ穴より外側に巻きます。

6弦と同様に、1弦もこのやり方でやってみてね。

6弦と1弦を穴より外側に張るのは、5弦、2弦に接触しないようにするためです。

通常仕様のヘッド(ペグ)であれば、6弦〜4弦、3弦〜1弦は回す向きが異なりますが、スロッテッドヘッドのペグは6弦〜1弦まで、全て回す方向が同じになります。
巻き方を解説(5弦/4弦/3弦/2弦)




1周目はペグ穴より外側に巻きます。

2周目以降はペグ穴より内側に巻きます。

5弦同様に、4弦、3弦、2弦もこのやり方でやってみてね。


各弦の最終位置を見てください。
6弦と1弦:ペグ穴より外側
5弦、4弦、3弦、2弦:ペグ穴より内側
チューニングをより安定させるために

弦を交換した直後はチューニングが不安です。
理由は、弦が伸びきっていないからです。
The String Stretchaを使うと、弦を均等に伸ばすことができ、よりチューニングが安定します。

正直、必須アイテムではないけど、あれば便利な道具だよ。
FAQ(よくある質問)

- スロテッドヘッドとソリッドヘッドではサウンドに違いはありますか?
- 実際は多少の違いはあると思いますが、わからないレベルだと思います。
サウンドより、チューニング精度が大きく変わることを覚えておいてください。
スロテッドヘッドはペグに何周巻いても、ペグとナットの角度が変わりません。
ソリッドヘッドは巻けば巻くほど角度が変わります。
まとめ:見た目だけではない効果がある

本記事ではスロッテッドヘッドの特徴や弦交換のコツを初心者にもわかりやすく解説しました。
メリットとしてはチューニングの安定性です。
一方で弦交換の手間や強度面のデメリットも理解しておく必要があります。
正しい知識を持てば、スロッテッドヘッドならではの魅力を存分に楽しめます。

スロッテッドヘッドの弦交換をやる機会があれば、是非参考にしてね。



