ギターの湿度管理【必要性と乾燥対策】
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湿度管理の必要性
今回はギターの湿度管理について解説します。
なぜ湿度管理が必要かというとギターは木で出来ているので湿気を吸ったり、吐いたり呼吸して生きています。
日本は四季がはっきりしているので梅雨の時期は湿度が高く、冬の時期は乾燥します。
冬場は暖房を使うことで乾燥し、響きは良くなりますがトラブルの原因に繋がります。
乾燥=鳴る=トラブル
特に季節の変わりめは変動が大きいので注意が必要です。
「湿気」と「乾燥」どっちが怖い?
どちらかというと「乾燥」です。
なぜ?
ギターは湿気を吸うと指板やトップが膨れ、ネックが反ったりしますが壊れることは少ないです。
しかし乾燥すると「木が割れる」原因になります。
この記事では“冬場の乾燥についてまとめました。
この記事でわかること
- 乾燥時のトラブル
- ギターの乾燥対策
梅雨時期の湿気対策については以下の記事を参考にしてください。
アコースティックギター/梅雨時期の湿気対策(ネック反り防止)
温度・湿度の急な変化(重要)
冬は暖房を使うことで部屋の温度は一気に上がり、湿度は一気に下がります。
人は気温差が激しいと体調崩し、風邪を引きます。
ギターもそれと同じように急な変化に弱いということです。
冬の場合、寒い場所から暖かい場所へギターを移動すると窓に付くような「結露」ができるため注意が必要です。
黒系のギターをお持ちの方はギターが曇るのがハッキリわかります。
ハードケースをいきなり開けると同じ現象が起こるため、徐々に開けましょう。
ギターが乾燥すると起きるトラブルとは?
- ネックが歪む
- フレットのバリが出る
- 指板の割れ
- トップの割れ
- ブレイシング剥がれ
- 塗装の割れ
- インレイ剥がれ
冒頭でも書きましたが乾燥した時、一番のトラブルは「木の割れ」です。
特にトラブルが起きやすいのがトップ材が「単板」のギターです。
昔は高級ギターに使われていましたが、近年は安価なギターでもトップだけ「単板」という仕様が増えています。
トラブル前にチェックするポイント
・フレットに引っかかりを感じる
・弦高が普段より低く感じる
指板の滑り具合
演奏中にスライドなど横移動した時に滑らなくなる現象がおこります。
【私の実体験】
冬場にライブがあり、直前に新しい弦に交換しました。
いざ演奏すると弦が滑らなく焦った経験があります。
その後、指板を確認すると乾燥しすぎて割れ寸前の状態でした。
弦が滑らないのではなく、指板が原因だとわかりました。
フレットのバリ
※写真は正常時です。
乾燥して指板が縮むことで金属のフレットの飛び出し(バリ)も発生します。
丸を付けたフレット部分が飛び出ることで演奏時(コードチェンジ・スライド)に時に引っかかりのような感覚になります。
無理して練習すると、この部分が擦れて痛みが出ます。
このような事例が出てきらた指板が乾燥しているので注意してください。
冬場のギター管理方法(乾燥対策)
湿度を40〜60%に調整
ギターの適正湿度は50%前後と言われ、人が快適に過ごせる湿度と一緒です。
出来るだけこの数値を目標にします。
現状の湿度を確認するため「湿度計」を準備してください。
どのような物でもOKです。
湿度計はギターの近くに置いてください。
機種や置き場によって数値上バラツキがあるのであくまで目安です。
正直、いちいち確認するのはめんどくさいです。
私はとりあえずギターを弾く際に見える位置に置き、なんとなく目をやる程度です。
部屋の湿度がどの程度なのか少し意識するだけでも変わります。
湿度計によって数値が違うことがあります。
実際、同じ場所に置いてみましたが数値が違います。
所有している湿度計を信じすぎるのも注意が必要です。
オイルで指板保湿
オイル等で指板を保湿しましょう。
レモンオイルは酸が強いので汚れ落し効果はありますが、保湿に関してはオレンジオイルか島村楽器の指板オイルが効果的です。
【徹底解説】オレンジオイルの使い方(ギター指板の保湿と汚れ落とし)
ヒストリー(HISTORY)/指板オイルの使い方【島村楽器】
湿度調整剤を使う
ギターブレス(GUITAR BREATH2)
湿度調整アイテムは様々販売されており、多少の効果はあるとは考えられますが調整剤を使っているから絶対大丈夫とは言えません。
あくまで補助的役割です。
そして自分を安心させるアイテムです。
私は普段GUITAR BREATH2というアイテムを使っています。
メリットが沢山あります。
・使い切りではなく何度も使える。
・立てかけ、横置きのどちらでも使える
オールシーズン使えるのでオススメです。
ギターブレス(GUITAR BREATH2)使い方を解説
PICKBOY ドライキーパー H-95
ドライキーパーはハードケース用に作られたもです。
2個入りで実店舗では1000円前後ですが、ネットショップだともっと安く購入できます。
【使用期間】
約6ヶ月の使い切りタイプです。
ハードケース内のヘッドスペースに入れて使います。
GUITAR HUMIDIFIER
上記の2つの湿度調整剤と異なり、“加湿のみ”になります。
濡らしたらスポンジを容器に入れるだけの簡単構造です。
ギターの保管方法
②常に出しっ放しにしておく
どちらに当てはまりますか?
両者のメリットとデメリットについて考えていきます。
ケース内保管 |
出しっ放し |
---|---|
メリット | |
一定の湿度を保てる 完全な密閉ではないですが、出しっ放しより安心感があります。 |
メリットなし 乾燥時に出しっ放しは危険しかありません。 |
デメリット | |
空気がこもる 空気の流れがないため、もし湿度が低い状態の場合が続くと最悪の環境下になります。 |
直で湿度の影響を受ける 保護する要素がないため乾燥・湿気の影響を受けます。 |
ケース内保管であれば定期的に出してやることが大切です。
ハードケース内の湿度に関して検証した面白い記事を書いている方がいます。
私もよくブログを読ませて頂くのですがマニアックで読んでいて面白いです。
是非、読んでみてください。
参考
ケースの有無による温湿度変化の違いギターでハッピー!
最後に
1番良いのはギターを弾いてやることです。
ギターケースに入れて保管しても内部には湿気は溜まります。
たまにはケースから出してあげるだけで空気の入れ替えになります。
私は一年中出しっ放しのギターが数本ありますが今の所トラブルも起きてないです。
湿度にあまりにも神経質になるのも良くないです。
- 冬は部屋が乾燥し「木が割れ」の原因になる
- 乾燥=鳴る=トラブル
- 寒い所から暖かい場所へ移動すると結露の原因になる
- 乾燥の目印は「指板の滑り」「フレットのバリ」
- 適正湿度は40〜60%
- 人が心地よい環境がギターにも最適
- 湿度計を準備して目安にする
- 湿度に対して神経質になる必要はない
アコースティックギター/梅雨時期の湿気対策(ネック反り防止)
【初心者必見】1分で出来る/アコギのメンテナンス方法を解説
【徹底解説】オレンジオイルの使い方(ギター指板の保湿と汚れ落とし)
ヒストリー(HISTORY)/指板オイルの使い方【島村楽器】
ギターブレス(GUITAR BREATH2)使い方を解説
冬の乾燥防止「ギター用加湿器の使い方」
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