アコギのいい音とは?【鳴りを良くする方法】

アコギの良い音

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この記事はこんな人にオススメ
  • アコギの良い音について知りたい
  • 価格による音の違いを知りたい
  • 鳴りを良くする方法を知りたい

ギターを演奏する人であれば、「ギターの良い音って何?」と考えたことがあるはずです。

私は、10本以上のギターを所有しています。

実店舗では、新品からヴィンテージまで沢山試奏させて頂き、色々な音を聴いてきました。

この記事を読むことで、自分の中で「良い音」の定義が明確になります。


アコースティックギター
もりそう
もりそう

答えは簡単だよ。

「良い音=万人受けする音」

「良い音=自分の好みの音」

万人受けする音

音楽のジャンル問わず、多くの人が良い音と感じるのが、良い音と考えるのが一般的です。

世界中のギタリストが愛用するメーカー、Martin(マーチン)とGibson(ギブソン)が上げられます。


自分の好みの音

音の専門家は、音の周波数を分析し、音が良いとされるデータを持っています。

しかし、音の周波数が良くても、それが多くの人を引きつけるとは限りません。

良い音とは、これまで自分が弾いてきた経験を元に、自分が好きだと思える音(鳴り、抜け感、低音)こそが良い音です。

MEMO

記事の一番下にあるコメント欄に、いつもお世話になっている読者さんから「良い音」について、コメント頂きました。

1つの記事にできるくらいの濃い内容で、とても参考になります。

是非、読んでみてください。

価格による音の違い

初心者の考えで多いのが「価格が高い=良い音」「価格が低い=悪い音」の定義です。

これは正解であり、間違いです。

価格の高いギターは、職人が良い材料を使い、作りが良いとされますが、良い音が出るとは限らないからです。

もちろん、良いギターになる素質を持ったギターが完成するわけですが、大事なのは購入者(プレーヤー)によって大きく変わるということです。

弾かずにお飾りのギター、古い弦を張りっぱなし、トラブルが起きてもそのまま使うなど、ギターが本来持っているポテンシャルを発揮できないこともあるからです。

もりそう
もりそう

ギターは弾き込むことで共鳴し、音が良くなると言われているよ。

中古で価格が高くなるギター

ヴィンテージギターは、年々価格が上がっています。

理由は、単純に希少性が上がっているからです。

現在では採用できない希少材を使って生産されているため、音が良いとされています。

価格の違いによる音の考え方

特徴
1万円のギター弦が手元で鳴っている(音にこもりがある)イメージ
30万円のギター弦がボディに伝わり、ボディ全体から、音の響きが拡散されるイメージ
100万円超えのギター希少価値の高い材を使うため、音が良いとされるが、多くのギターを弾いて経験していないとわかない

良い音を求めるのであれば、価格が1つの基準になりますが、あくまで目安に過ぎません。

音が良いと感じるのは、人それぞれの感覚が異なるからです。

30万円と100万円越えギターの違い

価格差が生まれる理由
  • ボディに優良材質が使われている
  • ナット、サドル、バイディングに天然素材が使われている
  • 塗装が薄い仕上げになっている
  • 部品の取り付け精度が高い
  • ベテラン職人が制作している

両者とも、良い音が出るのは当たり前なので、あとは音の好みの問題です。

メーカーでは、少数精鋭の選ばれしクラフトマンが、希少材を使い、手間のかかる工法で製作していることで、価格を押し上げています。

個人製作家の場合は、メーカーより製作できる本数がさらに少ないため、どうしても価格が上がります。

30万円と100万円越えの違いは、音の良さより、材と生産本数の違いです。

もりそう
もりそう

100万円のギターより、30万円のギターの方が良い音という人も多いしね。

補足

以前、MartinからD-200 Deluxeというギターが販売されました。

50本のみ生産された限定品です。

価格は日本円で約1,700万円

ではこのギターの音はいいのか?

音どうこう言うより、完全に「希少価値」の問題です。

メーカーによる音の違い

比較

国産と海外メーカーの違い

国産メーカー

  • 安定したサウンド
  • 品質が高い
  • トラブルが少ない

海外メーカー

  • 良い意味でバラつくサウンド
  • 品質にバラツキがある
  • トラブルが多い

国産と海外の音の違いというより、各メーカーによって音が変わります。

中でも、Martin(マーチン)とGibson(ギブソン)は、人気があるメーカーです。

日本人は海外製品を好む傾向があります。

結果、Martin(マーチン)、Gibson(ギブソン)は、誰もが憧れるメーカーで、音が良いイメージが付いています。

正直、国産ギターの方が「品質」は良いです。

ギターに限らず、日本人の真面目で、職人気質が作る製品は素晴らしいものがあります。

ただし、品質が良く、安定した良い音が好きな人もいれば、物足りなさを感じる人もいます。

品質が悪いのに魅力ある音

実例

アメリカのギター個人製作家に、John Greven(ジョン グレーベン)がいます。

日本のギタリスト、押尾コータローさんがメインで使っているギターで有名です。

人気モデルであれば100万円を超えますが「作りが雑」と言われることが多いです。

アメリカから日本に輸入されると「ギター内部のブレイシングが外れていた」というのは、当たりまえと言っていいほどあります。

※日本とアメリカでは、気候が違うためトラブルが起きる原因でもあります。

もりそう
もりそう

雑な作りが、他にはない音を作り出しているとも言われているんだ。


なぜトラブルが多いギターが人気なのか?

押尾コータローさんが使っていることで、「同じギター」「同じ音」が欲しいというファンが多いからです。

実際、私もその一人です。

購入して1発目に弾いた音というのは、今までに感じたことない衝撃を受けました。

低音から高音まで、バランスが良いかと言われるとそうとは言えず、逆に偏った音です。

一般的に、良い音とは言えませんが、他では味わえないドンシャリ系のサウンドを出します。

始めは、押尾さんのファンとして購入しましたが、そんなの関係なしに、Greven自体に魅了されました。

もりそう
もりそう

音のバランスは悪くても、良い音と感じる人もいるんだ。

メーカーの順位付けは無意味


Martin(マーチン)は誰もが知るメーカーで「キング・オブ・アコースティック・ギター」と呼ばれることがあります。

人は、なんでも順位を付けたがります。

  • このメーカーより、こっちのメーカーの方が良い音がする
  • 安価なメーカーだから音が悪い
  • 高級メーカーだから音が良い
  • 国産だから、海外製品だから

実際、私もその考えでした。

今では、バランスの悪いギターも「1つの個性」として考えるようになりました。

もりそう
もりそう

順位を付けない方が、感性が広がるし楽しいよ。

結果、所有本数が10本を超えることになるわけ(笑)

自分の中で音の基準を決める

ポイント

同じメーカー、同じモデルでも、セッティングや弦が違えば全然違う音がします。

1本しか持っていない人は、自分のギターが良い音だと感じます。

それはそれで正解です。

自分が良い音と感じれば、それは良い音です。

しかし、他のギターを弾くと、自分のギターには無い、新しい要素の音が沢山あります。

結果、音の幅が一気に広がります。

もりそう
もりそう

色々なギターを弾くと、自分が好きな音が定まってくるよ。

音を良くする方法(音がこもる原因)

問題点
以下のトラブルを解決すること
  • ギター内部のブレイシングが外れている
  • ナット・サドルのバランスが悪い
  • ブリッジが浮いている
  • ネックが反っている
  • ペグの固定が不安定
  • フレットが減っている

有名メーカーのギターだけど、音がこもる、良い音が出ないという声を聞きます。

原因のほとんどが、ギターにトラブルが起きているからです。

地方に住んでいると、音を聞かずに、ネットで購入するしかない場合があります。

届いたら「なんか響きが悪い」「音にこもりがある」と感じた場合は、楽器店に持ち込んで見てもらうことをオススメします。

ギター内部のブレーシングが外れていることがあります。

私は以前、有名楽器店から購入したことがありますが、届いたらトラブル持ちのギターでした。

楽器店は、発送前に確認すると思いますが、大手になると、手が回っていないのか、細かな所まで、目が行き渡っていないように感じました。

もりそう
もりそう

トラブルは無いと思っても、実は見えない所に潜んでいる場合があるよ。

補足(音と湿度の関係)

ギターは木で出来ているため、湿度によって音の響きが変わります。

弾く環境によっても、音が変わることを覚えておいてください。

梅雨時期:音がこもり、響きにくい

乾燥時期:音は響くが、ギターが割れる原因になる。

まとめ

入門セットは挫折する理由

良い音とは、これまで自分が弾いてきた経験を元に、自分が好きだと思える音(鳴り、響き、抜け感)こそが良い音です。

・このメーカーより、こっちのメーカーの方が良い音がする

・安価なメーカーだから音が悪い

・高級メーカーだから音が良い

・国産だから、海外製品だから

上記のような話に流されて、自分の好きな音を見失わないようにしてください。

もりそう
もりそう

自分で色んなギターを弾いて、聴いて「良い音」を見つけてみてね。

MEMO

記事の一番下にあるコメント欄に、いつもお世話になっている読者さんから「良い音」について、コメント頂きました。

1つの記事にできるくらいの濃い内容で、とても参考になります。

是非、併せて参考にしてみてください。

8 COMMENTS

zizi

おはようございます!
このややこしいテーマに果敢に取り組まれた意気込みと、
かつここまでわかりやすくそして的確にまとめられた内容に、久々感動を覚えます
もう3度も読み返してしまいましたよ
もりそうさんのお考えも十分理解できましたし、大いに賛同もしています
心からの拍手を贈りたい、そんな気持ちです!

「良い音、良いギター」の見極めを曖昧に、困難にしていることには
いくつかの理由があると思います
しかし、それゆえに万人に共通した唯一無二の価値基準「価格」が
ギターの価値にすり替わってしまうことは、ある意味仕方が無く、
また一定の合理性もあることから否定も仕切れません
一切のしがらみなく「良いギター」を見極めるには
もりそうさんのおっしゃるとおり、「とにかく色々なギターを弾いてみること」で
自分の好み、演奏の方向性、プレイアビリティ等々の知見を積み重ね
確固たる「モノサシ」を自分の中に作り上げるしか手がないのです
しかし、いろんな環境面から、それが可能な人はほんの一握りなのもまた事実で
ネット情報、知人のお話、書籍、等々外部情報に頼らざるを得ないこともあるのですが
ギターという楽器に興味を持ち、目線が少しでも斜め上を向いたなら
今回のこの記事はそんな人への良き道しるべとなると思います!

さて、「良い音、良いギター」の見極めを曖昧にする要因は
プレイヤーの段階に応じて考えた方がわかりやすいかも知れません

■モノサシがはっきりしていない段階
①「ギターを悪く言うショップや売り手は存在しない」
 激鳴り、オールマイティ、ピアノサウンド、フィンガーピッカーに最適
 ・・・ギターのサウンドの表現は書き手によって様々ですが
 共通するのは「褒め言葉」であることです
 どんなギターも同様に褒めちぎられていたのでは何が本当に良いのか
 分かるはずも無し、ですね
②動画や音源で聴くギターの音はギターの性能より奏者の技量の影響が大きい
 ギターの紹介動画等で「おお~この音好きだわー」というのは
 とても重要な耳の肥やしですが、奏者の技量によっては
 どんなギターも良い音になってしまうことは、少しやっかいですw
 もちろん録音機材やエフェクトの有無も影響する・・・
 そんな諸々を踏まえて聴くのは、ギターに興味を持ったばかりの段階では
 難しいかも知れません
③情報過多&人によって価値観や表現が異なることに振り回される
 「すっげ~のよこのギター!」・・・でもモノサシは人の数だけ存在します
 その雑多な情報を処理しきれずに迷路に、というのもよくあることです

■モノサシがある程度出来上がった段階
①弾くときと聴くときの違いに戸惑う
 プレイヤーのモノサシは、音の立ち上がりやボディから伝わる振動、
 また、弦による音の異なりなど弾き手にしか分からない情報も含めて
 そして、何より弾き手に届く音に基づいて出来上がっていきます
 しかしそれら全部が聞き手に伝わるわけではなく
 「この音良いだろ~」って意気込んで聴いてもらっても
 聞き手は置いてけぼり・・・ってこともよくあることですが
 これは、自分のモノサシへの信頼が揺らぐ瞬間ですね
②「好み」もまたうつろう・・・
 自分のモノサシは「好み」の産物、でも、
 好みが一生変わらないって保証もない、演奏のジャンルも変わるかも知れない
 良い音、良いギターの基準もそのたびに微修正され続けていく・・・
 そして良い音、良いギターを一言で言い表すのが難しくなる・・んですね
③環境で変わるギターの音
 まあ一番は湿度でしょうけど、同じギターでもずっと同じ音ではないことも
 「良いギター」の判断が曖昧になる一因かも知れません
 もちろん「いつも変わらない音」が良いギターとも言い切れず
 「調子良いときはなんとも言えない良い響きが出る」というのを
 最高って感じるかもしれません
④弾き込みとセッティングで変わるギターの音
 もりそうさんも書いておられますが「良い音を出すにはギターを弾くこと」
 その通りだと思います、そしてそれも、
 「たった1本のギターであってもその善し悪しを一言では言えない」ことの
 一つの要因なのでしょう

お話が長くなりましたが
これも今回の記事に大いに触発されたということでお許しいただければと(笑)
ちなみに、私の手持ちで感動するほどの音というのを
ソロギター目線で一つあげるとすれば、それはグレーベンです
どこが?というのはそれこそ一言では・・(笑)
しかし、単音だけで自分をしあわせにしてくれるギターです

長文失礼いたしました!!!!

返信する
もりそう

ziziさん
一つの記事ができるボリュームのコメントで、ziziさんからのお褒めの言葉はとても嬉しいものがあります。(^_^)
ありがとございます!

さて内容ですが、以前、弦を緩める、緩めない記事を書いた時同様に正解の無いテーマは本当に難しいものがありました。
文字だけでどこまで伝えられるか不安でしたが、なんとかまとまったと思います。

自分の中での「モノサシ」を作る

まさにその通りですね!
その表現は自分にはできなかったです。
とてもわかりやすい(^^)

私の記事に不足している部分を補ってくれる内容感謝です。
この記事・コメントを読んで頂き誰かの役に立てばいいなぉと思っています。

最後に…
やっぱりグレーベンなんですね(笑)

返信する
deiqun

こんにちはー
良い音もよくわからないんですが 弾き込むと良い音が出るようになる とか、も よくわからないんです、そもそも なんで弦はじいて音が出るのかの理論もわかりません、が こんなに、難しくて、夢中にさせる、嫌いになれない、いやな奴です

返信する
もりそう

deiqunさん
いつもありがとうございます。
結局は自分が好きな音が「良い音」なんだと思います。
「悪い音」と感じても他の人からしたら「良い音」の場合もありますからね。
あまり気にせず楽しむのが一番ですよね^ ^

返信する
石田顕信

私はビートルズで青春を過ごした世代でアコギは中学生の時に兄の影響でポールサイモン
から始めました。ギター遍歴はカスガ、トウカイ、ヤマハ、当時の本物ギルド
マーチン(この辺に年代が出ます)で、結果現在はtaylorに落ち着きました。
私の好みは低高音が前に出ていてサスティーンの響きが良いもの。
taylor Vclassは全てに当てはまり、あのネックは変え難いものがあります。
それと弦高が低く(或いは調整が簡単)で弾きやすいのも最高です。

返信する
もりそう

石田顕信さん
こんばんは!
カスガ、トウカイ いいでねぇ〜
国産ヴィンテージ好きです(笑)

恥ずかしながらTaylor弾いたことないんですよね…
シリーズが豊富なのも、個人的に難しく感じてしまう所があります。
そのため、ネックの握り心地、ナット幅などがわからないため、どんな演奏スタイルに合っているのかも謎です。
ただ、興味はあったため調べたことはあります。
ポンのギター」というブログご存じでしょうか?
Taylor好きな方が運営しており、とても勉強になりました。

返信する
コリングス

こんばんは
拝読させて頂きました。

良い音 難しいですよね。。
利権が絡んだり、私欲が絡んだり、、
失礼しました、いつも勉強させて頂いている者です。

アリスからギターに入ってモーリス(MG-100ST・SPオーダー)→
ヤマハ(SPオーダー)→ギブソン(J-45
’62・J-200新品)→マーチン→コリングスと買いました。

良い音は好みの問題もありますし難しいですよね、ただ言えるのは価格には比例する気がします。

自分が良い音(納得出来る音)と感じたギターは都内の楽器店で弾いたギブソンのSJ-100(ヴィンテージ)ですね。
そして、所有しているコリングスです

昨今は材の枯渇や諸事情から高騰する
アコギが急増していますが良いギターに触れて耳を鍛えるのが大事だと思います。

長々と失礼しました。

返信する
もりそう

コリングスさん
コメントありがとうございます。
ギター所有歴が凄いですね。
Collings羨ましい…

「価格に比例」は確かにあるように感じます。
正直、ギターに関係なく、この世の物全て、結局高い物がいいように感じます。
高い価格には理由があり、その中には、作り手、素材、品質管理、アフターサービスなどがあるからです。
一部「ブランド価格」や「ヴィンテージ価格」が乗っているのもありますが…

良い耳を鍛えるにはやはり本数を弾くしかないと思います。
ただ本数だけでなく、コンリングスさんがおっしゃる通り、「良いギター」を弾くことが絶対です。

個人的には各メーカーの代表機種を弾いていくのも1つかと考えています。

以前お茶の水で弾いた、Gibson J-200のヴィンテージ(当時約980万)、Martin OOO-42ヴィンテージ(当時約700万)は良い音でした。
これまで弾いたギターの中で、音抜けが全然違うと感じました。
金額を見ると、試奏が怖いですが、たくさん試奏して経験してみるのも大事かと思います。

新品の張りがある音、ヴィンテージの乾いて抜けが良い音、これも好みの問題です。
結局、色々欲しくてギターが増える原因になりますね(笑)

現在は多くの楽器店が、動画サイトにサウンドレビューの動画を上げていますが、正直全部同じように聞こえます。
結局、その楽器店の音になるからです。

是非、自分でギターを抱えて、鳴らして感じて欲しいです。

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