【憧れのギター木材/ハカランダ】ブラジリアンローズウッドの魅力について
もりそう
- 音が良いって本当?
- なんでそんなに価格が高いの?
- ブラジリアンローズウッドのギターが欲しい場合は?
現在、ブラジリアンローズウッド(ハカランダ)のギターは高騰しているため、メーカーによっては高級車が買える価格になります。
中古でも100万円前後が当たり前の状況です。
私がマーチン「Martin D-28 Custom Brazilian」を購入して得た知識・経験を記事にしています。
今回の記事では「国際条約の規制」「木材の魅力」「購入したい方へのアドバイス」を解説しています。
記事を読むことで、ブラジリアンローズウッド(ハカランダ)についてまとめて知ることができます。
- 国際条約で取引きが規制されている最高級木材
- 必ずしも最高の音とは限らない
- 購入するなら中古がオススメ
- 木目は自分好みを選べばOK
(サウンドに影響なし) - 木材の価値が下がることはない
もりそう
メーカーによっては10万円前後で憧れのブラジリアンローズ(ハカランダ)仕様を購入することもできるよ。
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ブラジリアンローズウッドの概要
英名:Brazilian Rosewood or Jacaranda
別名:ハカランダ
その名の通りブラジル産のローズウッドで日本ではハカランダと呼ばれることが多いです。
※ちなみにハカランダはスペイン語。
アコースティックギターのサイド・バック材に使われている最高級木材です。
木目が魅力的なことからギター以外でも多く使われました。
結果、ブラジルでは伐採が増え、現在では規制されるほどの希少価値の高い木材になりました。
ワシントン条約による規制
「Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora」
絶滅のおそれのある野生動植物の種子の国際取引に関する条約
ブラジリアンローズウッドは1992年にワシントン条約の附属書Iに記載されました。
規制されている3つの分類
高
- AppendixI(付属書I)
絶滅の脅威にさらされているもの。
学術研究のためなら、輸入・輸出の双方の国の許可書があれば取引可能
・ブラジリアンローズウッド(Dalbergia nigra)
・マンモス アイボリー 象牙
・一部のべっ甲 - AppendixII(付属書II)
今すぐに絶滅する訳ではないが規制しないとの今後絶滅する可能性があるもの。
商業目的は可能で輸出国の許可書があれば取引可能
取引を規制するべきもの。
・マダガスカルローズウッド
・ホンジュラスローズウッド
・ココボロ - Appendix III(付属書III)
保護のために規制協力が必要なもの。
商業目的は可能で輸出国の許可書、又は原産地証明書があれば取引可能対象品
・アバロン
低
もりそう
でも2019年に規制が緩和され、今まで通り「付属書II」には入っているけど、「楽器」であれば申請なしで輸入・輸出が可能になったんだよ。
規制の誤認知
全てのブラジリアンローズウッドが「附属書I」に入ってる訳ではありません。
ブラジリアンローズウッド=ブラジル産のローズウッドの総称になります。
ブラジル産ローズウッドの中でも「Dalbergia nigra」と言う名称の物が「附属書I」に記載されています。
そのためブラジル産の中でも規制されているのは一部のローズウッドと言うことになります。
現在の「Dalbergia nigra」流通状況
ブラジル国内では絶滅危惧種としては規制が解除されています。
Wikipediaより引用
現在はブラジルの象徴的な植物として街路樹や公園などでの植林するなど保護活動も活発となり、数を増やしたため、ブラジル国内の法律では絶滅危惧種としては解除されている。ただし、ワシントン条約の附属書Iには登録されているのでそれらの原木や材料とした製品を輸出入するには経済産業省など各国の政府機関に許可申請が必要である。
引用元:ブラジリアン・ローズウッド
新品のブラジリアンローズウッドのギターも日本に入ってきています。
それはなぜか?
付属書に記載される前の物は規制にかからないなどの条件があるため、メーカー・ルシアー(個人制作家)はその以前の在庫で制作していることになります。
ブラジリアンローズウッドの魅力
パワフルなサウンド
ブラジリアンローズウッドは以下で表現されるが多いです。
- パンチがある
- パワフル
- クリア
個人によって捉え方が違いますが、多くの人がブラジリアンローズウッドのギターを弾いた結果「良い音」と言われる木材になりました。
黄金の組み合わせと言われるものがあります。
サイド:バック:ブラジリアンローズウッド
マーチンのプリウォー(戦前)と呼ばれる時期のギターはこの組み合わせで作られており、現在でも人気があります。
では他の組み合わせではどうなのか?
私が所有しているMartin D-28 Custom Brazilianを紹介します。
トップ:イングルマンスプルース
サイド・バック:ブラジリアンローズウッド
音量があり、コードをかき鳴らしても音が潰れないですが、そこまでパワフルを感じませんでした。
イングルマンスプルースの特徴で言われる「柔らかい音・繊細な音」です。
結果、トップ材が変われば「音」も大きく変わります。
「ブラジリアンローズウッド」=「最高の音」というのはある意味「洗脳」のようなものです。
木材の特徴を知った上で弾いているためそのように感じることはあります。
もりそう
豊潤な香り
ブラジリアンローズウッドのギターを購入して一番驚いたのは「香り」でした。
とにかく「あま〜い」香りがします。
ハードケースを開けるとその香りにやられ、部屋中に充満します。
このアロマ効果で癒されることも多々あります。
楽器屋さんで試奏する機会があれば是非サウンドホール内を嗅いでみてください。
全てのブラジリアンローズウッドのギターがこのような強い香りがするかは定かではありません。
インディアンローズウッドでも甘い香りがすると言われるため個体差はあります。
魅力ある木目
ブラジリアンローズウッドと言えば「木目」も魅力の1つです。
私がMartin D-28 Custom Brazilianを購入した一番の決め手でもあります。
ギターの木目には種類があります。
・木目がキレイに真っ直ぐなもの。
【板目(いため)】
・木目がカーブしているもの。
【追柾目(おいまさめ)】
・柾目と板目2つの要素があるもの。
柾目は太い丸太の中心でしか取れないため、それでは木材がもったいないことから、外側(板目)もギター材として使われています。
採取できる量が少ない「柾目」の方が価値が高いとされています。
木目が真っ直ぐな「柾目」は乾燥時の伸縮性が安定していると言われていますが、音に関してはそこまで変化がないようです。
真っ直ぐな柾目よりもワイルドな板目の方が好きな方も多いです。
今回の記事では全て「木目」で統一していますが、書籍やサイトによって「杢目」と書いている所もあります。
簡単に説明すると以下になります。
木目:木の年輪(樹齢)
杢目:木の模様
「木目」は幅広い意味で、その中に「杢目」「柾目」「板目」の分類が含まれます。
マーチンの例
ブラジリアンローズウッドは他の材と離して管理しています。
その理由はマダガスカルローズウッドなどと見分けがつかないほど似ているからです。
そのため素人が製品になった物を見分けるのは難しいです。
ブラジリアンローズウッドの代用品
ブラジリアンローズウッドの規制が厳しくなりそれに代わる材の需要が増えます。
・インディアンローズウッド
・ホンジュラスローズウッド
・グアテマラローズウッド
・ココボロ
ブラジリアンローズウッドの代用品と書かれることが多いですが、各ローズウッドにはそのローズウッドの特色があります。
他のローズウッドの方が好みと言う方もいますが、日本人はブランド好きなので「ブラジリアンローズウッド(ハカランダ)」こそが最強と捉える方が多いのも事実。
ギターの材も同じです。
その材の特徴を楽しめばそれでOK!
以前は考えに偏りがありました。
・安いギターはダメだ
・安いギター鳴らない
何もわかっていない自分がいました。
様々なメーカー・機種・木材を試していくうちに、このギターはこういう性格(音)なのかと捉えるようになりました。
綺麗事かもしれませんが…
それでもやっぱりブラジリアンローズウッドのギターは欲しくなりますけどね…
購入したい方へ
魅力がたくさんあるブラジリアンローズウッドですがやはり価格が問題です。
新品
メーカーや個人製作家によっても価格差がありますが、新品のブラジリアンローズウッド仕様は超高額になっています。
以下はマーチン社で近年発売した新品のブラジリアンローズウッドのギターです。
- D-45 Authentic 1936 Aged(2018年)
約820万円 - D-28 Brazilian Rosewood(2017年)
約260万円
サラリーマンではなかなか買える価格ではありません。
新品のブラジリアンローズウッド仕様が欲しければ個人制作家をオススメします。
仕様によっては100〜200万円で購入することができます。
中古・ヴィンテージ
私は中古をオススメします。
新品の価格が上がる一方に対して、中古市場は安定している印象があります。
マーチンのD−28(1960年代)であれば80〜100万円で購入することができます。
国産であれば10万円前後で購入できる物もあります。
価格はメーカー・年式・状態・機種によってかなり幅広いです。
結局は需要と供給のバランスなので定番人気機種は高くなります。
購入する場合は状態確認は必須です。
相場より安い物は必ず何か理由があります。
・ネックが折れた修復暦がる
・ボディの割れた修復暦がある
・再塗装されてる
ブラジリアンローズウッドのまとめ
今回は誰もが憧れるブラジリアンローズウッドについて解説しました。
楽器店に行くと価格が高くて、後ずさりしてしまうかもしれませんが、店員さんにお願いして試奏させてもらいましょう。
実際の「音」「香」を感じてみてください。
もりそう
- 国際条約で取引きが規制されている最高級木材
- 必ずしも最高の音とは限らない
- 購入するなら中古がオススメ
- 木目は自分好みを選べばOK(サウンドに影響なし)
- 木材の価値が下がることはない
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こんばんは
泣く子も黙るハカランダ、あこがれの材ですね
音の印象としてはインドローズよりも篭り感が少なく
パリーンとした雰囲気が気持ちよいです
60年代以前ではごく普通に使われていた材なので
こんなに高騰するとは誰も予想しなかったかもしれませんね
ちなみに私も板目派です(笑)
ド柾目のハカランダってインドローズと見分けがつきませんものね~w
ziziさん
こんばんは
今、規制がかかってない材も将来は規制がかかる材も出てくるかもしれませんね。
ブラジリアンローズウッドは植林活動も行なっているとは思うのですが、自然にある物と植林の物では実際は品質が違うのかなと考えています。
ギター材って面白いなぁと改めて思います。
正直、素人にはインドローズをブラジリアンって言われてもわかないと思いますね(笑)
こんにちは、もりぞうさん
最近見つけたのは、アリアマツオカ D-80
74年製造です、トップセンター割れ、浅めのクラック 多数 のため格安でしたが、他の全てのギターが要らなくなるほど、気に入ってます 3Pバックが驚きの音色です 甘い香りはしません、ギター探しの旅は終わってしまいました。と思ってたところで、釣りの帰りに寄ったハードオフで、新品に近いmorris M-80 こっちのが音がクッキリしてて凄く良い 、、が、9万も出せないので諦めました。釣って捨ててきたフグと同じように 膨れっ面で帰ってきました、旅はつづきそうです。
deiqunさん
こんにちは!
個人的にはモーリスよりアリアD-80の方が好みです。両者弾いたことないですが、D-80の3Pがいいですね!しかもこっちの方が貴重では?
ボディの見た目って大事ですよね(^ ^)
ごめんなさい なんか詐欺サイトのうわさがあるので、
deiqunさん こんばんは!
検索したら確かにそのようなコメントがたくさんありました。
一応、コメント削除しておきますね!
ナットはやはりプラスチックと牛骨ではサウンドがだいぶ違うようですね。
私が所有しているギターの中にもプラ製の物が何本かあるので素材を変えるだけで化けるかも(笑)
こんちは、なんかナット 象牙だったぽいです、でもあきらかに、牛骨のほうがいいです、当時、象牙 流行ったんですかねー ce-1000s も だったと思います、素材とかに弱いんですかねーハカランダに象牙、豚に真珠です。
deiqunさん おはようございます。
やはり人は「象牙」という言葉に弱いんでしょうか(笑)
高いもの使えば良いというものでもないですよね。
「ハカランダ=最高に良い音」
これも合ってるようで合っていないみたいなもんですよね。