ブラジリアンローズウッド(ハカランダ)の魅力を語る

ブラジリアンローズウッド(ハカランダ)の魅力を語る

ブラジリアンローズウッドの基礎知識


学名:Dalbergia nigra
英名:Brazilian Rosewood or Jacaranda
別名:ハカランダ
その名の通りブラジル産のローズウッド。
日本ではハカランダと呼ばれることが多いです。
ちなみにハカランダはスペイン語です。

アコースティックギターのサイド・バック材に使われている最高級木材です。

ブラジリアンローズウッドを使ったギターは音が良いと言われたり、木目が魅力的なことからギター以外でも多く使われました。

結果、ブラジルでは伐採が増え、現在では規制されるほどの希少価値の高い材になります。

アコースティックギター材の中でも一番と言って良いほど高級材です。

私自身ブラジリアンローズウッドのギターを所有しているので実際所有してわかったことなど、魅力を語っていきます。

これからブラジリアンローズウッドのギターを欲しいと思っている方へ参考になればと思います。

ワシントン条約を確認

ブラジリアンローズウッドを語る上でこれは外せません。
確認していきましょう。

ワシントン条約とは?
CITES(サイテス)
「Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora」

絶滅のおそれのある野生動植物の種子の国際取引に関する条約

ブラジリアンローズウッドは1992年にワシントン条約の附属書Iに記載されました。

規制されている3つの分類

AppendixI(付属書I)

絶滅の脅威にさらされているもの。
学術研究のためなら、輸入・輸出の双方の国の許可書があれば取引可能

対象品
・ブラジリアンローズウッド(Dalbergia nigra)
・マンモス アイボリー 象牙
・一部のべっ甲

AppendixII(付属書II)

今すぐに絶滅する訳ではないが規制しないとの今後絶滅する可能性があるもの。
商業目的は可能で輸出国の許可書があれば取引可能
取引を規制するべきもの。

対象品
・マダガスカルローズウッド(Dalbergia baroni)
・ホンジュラスローズウッド(Dalbergia stevensonii)
・ココボロ(Dalbergia retusa)
など他多数
2017年に全てのローズウッドが附属書IIに記載されました。
しかし2019年に規制が緩和され、今まで通り付属書IIには入っていますが、”楽器”であれば申請なし輸入・輸出が可能になりました。

Appendix III(付属書III)

保護のために規制協力が必要なもの。
商業目的は可能で輸出国の許可書、又は原産地証明書があれば取引可能

対象品
・アバロン

規制の誤認知

注意
勘違いしやすいのは全てのブラジリアンローズウッドが附属書Iに入ってる訳ではありません。
ブラジリアンローズウッド=ブラジル産のローズウッドの総称になります。

ブラジル産ローズウッドの中でも「Dalbergia nigra」と言う名称の物が附属書Iに記載されています。

そのためブラジル産の中でも規制されているのは一部のローズウッドと言うことになります。

現在の「Dalbergia nigra」の状況

ブラジル国内では絶滅危惧種としては規制が解除さてています。
Wikipediaより引用

現在はブラジルの象徴的な植物として街路樹や公園などでの植林するなど保護活動も活発となり、数を増やしたため、ブラジル国内の法律では絶滅危惧種としては解除されている。ただし、ワシントン条約の附属書Iには登録されているのでそれらの原木や材料とした製品を輸出入するには経済産業省など各国の政府機関に許可申請が必要である。引用元:ブラジリアン・ローズウッド

現在の流通状況

実際、新品のブラジリアンローズウッドのギターも日本に入ってきているのは事実です。

それはなぜか?

ポイント
ブラジリアンローズウッドは規制が一番厳しい分類に入っていますが、輸入・輸出、双方の許可があれば日本に入ってきます。
付属書に記載される前の物は規制にかからないなど条件があるため
メーカー・ルシアー(個人制作家)はその以前の在庫で制作していることになります。

ブラジリアンローズウッドの魅力

実際に私が所有しているのはMartinの「D-28 Custom Brazilian」です。
MartinD-28Martin D-28 Custom(1998)
このギターから感じたことを書いていきます。

パワフルサウンド

世間でよく言われるイメージは以下が多いです。

  • パンチがある
  • パワフル
  • クリア

では実際は?

確かに私が所有する物は良い音がします。

でも良い音って個人によって捉え方が違います。

しかし多くの人が「良い音」と感じるからブラジリアンローズウッドが良い材だと昔から言われていのではないでしょうか。

個人的にギターはサイド・バックが全てではないと考えます。

それはトップ材も重要な役割を持っているからです。

黄金の組み合わせと言われるものがあります。
アディロンダックスプルース×ブラジリアンローズウッド

Martinのプリウォー(戦前)と呼ばれる時期のギターはこの組み合わせでした。
そのため、現在でもこのスペックのギターは人気があります。

私のD-28はイングルマンスプルース×ブラジリアンローズウッドです。

そこまでパワフル感は感じません。
確かにボリュームはあり、コードかき鳴らしても音が潰れないような気がします。

イングルマンの特徴で言われる「柔らかい音・繊細な音」

まさにそんな感じです。

ただその特徴のイメージを持った上で弾いているためそのように感じるのかもしれません。

ある意味洗脳のような感じ。

ブラジリアンローズウッド全てのギターが最高の音ではないと言うことを覚えておいてください。

以下の条件で変わってきます

  1. メーカーの違い
  2. ギター形状の違い
  3. 作りの良し悪し
  4. 単板か合板か
  5. 本体の状態
  6. 弾き込み具合
  7. 弦高などのセッティング


※このはブラジリアンローズウッドと言うことではなく全てのギターに言えることです。

豊潤な香り

私がブラジリアンローズウッドのギターを買って一番驚いたのは「香り」でした。

とにかく「あま〜い」香りがします。

ハードケースを開けるとその香りにやられます。

そしてその香りは部屋中に充満します。

私は普段ギターを弾く部屋は6畳くらいなので尚更香りでいっぱいになります。

このアロマ効果で癒されることも多々あります。(笑)

もし楽器屋さんで試奏する機会があれば是非サウンドホール内を匂ってみてください。

ただし全てのブラジリアンローズウッドのギターがこのような強い香りがするのかは定かではありません。

インディアンローズウッドでも甘い香りがすると聞いたことありますが、私はまだ出会ったことないです。

魅力ある木目


ブラジリアンローズウッドと言えば「木目」も魅力の1つです

私が「D-28 Custom Brazilian」を購入した一番の決め手でもあります。

MEMO
「木目」と「杢目」の違い
今回は全て「木目」で統一していますが、本やサイトによって「杢目」と書いている所もあります。
簡単に説明すると
木目…木の年輪(樹齢)
杢目…木の模様
になります。
「木目」は幅広い意味なのでその中に「杢目」「柾目」「板目」の分類が含まれます。

ギターの価値的には板目より柾目が良いとされる傾向があります。
柾目(まさめ)…木目がキレイに真っ直ぐになもの。
板目(いため)…木目がカーブしていたりするもの。
追柾目(おいまさめ)…柾目と板目2つの要素があるもの。
柾目は太い丸太の中心でしか取れません。
しかしそれでは材がもったいないので、その外側(板目)もギター材として使われます。

そのため採取できる量が少ない「柾目」の方が良い材とされるようです。

マグロで言うと大トロ・中トロ・赤身みたいな?
違うか(笑)

木目が真っ直ぐなものは乾燥時の伸縮性が安定していると考えられている。

実際に音にはそこまで変化がないようですが…

しかし私は真っ直ぐな柾目よりも木目が派手でワイルドな板目の方が好きです。

ワイルドな木目を見るたびにやけてしまう自分がいます。
見ているだけでたまりません。

ブラジリアンローズウッドの代用品


まず”代用品”と言う言葉はあまり使いたくないです。
その理由は以下で説明します。

ブラジリアンローズウッドの規制が厳しくなりそれに代わる材を使い始めます。

・マダガスカルローズウッド
・インディアンローズウッド
・ホンジュラスローズウッド
・グアテマラローズウッド
・ココボロ
など
ブラジリアンローズウッドの代用品と書かれることが多いです。

しかしマダガスカルローズウッドはマダガスカルローズウッドなりの
サウンドがあると思っています。

人によってはブラジリアンローズウッドよりこっちの方が好みと言う人も多いはずです。

日本人はブランド好きなので「ブラジリアンローズウッド」こそが最強だみたいな(笑)

あくまで一つのキャラクターと考えた方がいいです。

人と同じですよね。

同じ人(性格)の人なんてこの世には存在しない。
ギターの材も同じではないでしょうか?

その材の特徴を楽しめば良いと思います。

これはギターを始めた頃は知識もなく、考えが頭でっかちみたいな所がありました。

安いギターを弾いては
・これはダメだな
・鳴らねぇ

何もわかってない自分がいました。

しかしある程度色んなブランド、機種、材を試していくうちに変わっていきます。

楽器店で試奏しても「このギターはこういう性格(音)なのか」と捉えるようになりました。

綺麗事かもしれませんが…

それでもやっぱりブラジリアンローズウッド欲しくなりますけどね(笑)

購入したい方へ

上記の通り魅力がたくさんあるブラジリアンローズウッドですがやはり価格が問題です。

ブランド・機種・グレードによって価格差はかなりあります。

Martin

誰もが憧れるMartinブランドは1969年製までブラジリアンローズウッドをサイド・バックに使用しています。

そのため中古市場でも人気があり高騰しています。

新品

現在どれだけブラジリアンローズウッドの在庫をしているかは不明です。

またオーダーでブラジリアンローズウッドを使用することもできません。

もし使う場合は最高責任者のクリスチャン・フレデリック・マーティン(4世)が許可を出さないと使えないそうです。

近年発売した新品のブラジリアンローズウッドギター

  • D-45 Authentic 1936 Aged(2018年)約820万円
  • D-28 Brazilian Rosewood(2017年)約260万円


普通の会社員では到底買える価格ではありません。

お金持ち、コレクター、ミュージシャンあたりが買うことになるんだと思います。

以上のことからMartinの新品ブラジリアンローズウッドを手にするのは難しいです。

中古・ヴィンテージ

価格は50〜1000万円

中古・ヴィンテージは価格帯はバラバラです。
マーチンの中でも年式、状態、ボディ形状によって異なるからです。

ネック折れ、再塗装、トップ膨らみだと50万円前後で販売されている物もあります。

そのため「状態」次第で価格は変わります!

結局は需要と供給のバランスなので定番人気機種は高くつきます。

代表的なD−28で見てみましょう。
相場はざっくり100万円前後だと思います。

カスタム品
意外と狙い目なのは「カスタム品」です。
・楽器店がカスタムオーダーしたもの
・個人がカスタムオーダーしたもの
現在はカスタムオーダーでブラジリアンローズウッドは使えませんが、少し昔であれば使えたようです。

ワシントン条約の規制がかかる前はオーダー可能だったのでしょう

そのカスタム品が中古で出回ることがあります。

私のD-28もそれに当たります。

私が購入した後もネットで中古情報をチェックしていますが、ちらほら出ているようです。

もちろん数は少ないですが…

年代別
D-28のブラジリアンローズウッドを狙うなら1960年代が良いかもしれません。
1950年代になると一気に価格が上がっている印象があるからです。

購入する場合は状態確認は必須です。

私のブログで何回も書きましたが「トップの膨れ」は必ず確認した方がいいです。

相場より安い物は必ず何か理由があります。

その他メーカー・個人ルシアー

近年はソロギターの人気もあり大手メーカー以外にも個人ルシアーも人気です。

以下にかなりざっくりですがブランド載せておきます。

・Taylor
・Collings
・Greven
・Pre-War Guitars
・YAMAHA
・Headway
・K.yairi
・takamine
・SUGITA
・KAMEOKA
・WATER ROAD

など

やはり価格は100〜200万円前後が相場のようです。

最後に

今回は誰もが憧れるブラジリアンローズウッドについて語ってみました。

「音を出す楽しさ」と「見る楽しさ」があり、持っているだけで満足感があります。

楽器店に行き、値段を見ると80万、100万、150万…

値札を見て弾きにくと言う方もいるかもしれません。

しかし実際に弾いてこそわかる音なので、是非楽器店で弾いてみください。

2 COMMENTS

zizi

こんばんは
泣く子も黙るハカランダ、あこがれの材ですね
音の印象としてはインドローズよりも篭り感が少なく
パリーンとした雰囲気が気持ちよいです
60年代以前ではごく普通に使われていた材なので
こんなに高騰するとは誰も予想しなかったかもしれませんね

ちなみに私も板目派です(笑)
ド柾目のハカランダってインドローズと見分けがつきませんものね~w

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もりそう

ziziさん
こんばんは
今、規制がかかってない材も将来は規制がかかる材も出てくるかもしれませんね。
ブラジリアンローズウッドは植林活動も行なっているとは思うのですが、自然にある物と植林の物では実際は品質が違うのかなと考えています。
ギター材って面白いなぁと改めて思います。
正直、素人にはインドローズをブラジリアンって言われてもわかないと思いますね(笑)

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