この記事には広告を含む場合があります。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
- Martin D-28 Customと通常モデルの違いを知りたい人
- ブラジリアンローズウッドの音質や価値を詳しく知りたい人
- カスタムショップのギターについて知りたい人
「Martinのカスタムショップって、普通のモデルとどう違うの?」
そんな疑問を持つ人も多いはずです。
Martinのカスタムショップと聞くと「価格が高そう」「自分には敷居が高い」と感じる人も少なくありません。
しかし、カスタムショップは一部のコレクターだけではなく、理想のサウンドや演奏スタイルに合わせて自分だけのオリジナルの1本を誰でも作れるシステムです。
木材の種類、ネック形状、装飾、ブレーシング構造など、細部まで指定できる自由度が魅力です。
この記事では、私が所有するMartin D-28 Custom(ブラジリアンローズウッド)を事例に解説します。

後悔のない一本に出会うための参考にしてみてね。
Martin D-28 Customの基本仕様と特徴

基本スペック(D-28との違い)
| トップ | イングルマンスプルース |
| サイド・バック | ブラジリアンローズウッド (ハカランダ) |
| ネック | SQネック |
| ポジションマーク | ダイヤモンドスクエア |
| ヘッド形状 | 鋭角 |
本機は1930〜1940年代の仕様を再現したモデルで、本来は赤系のピックガードが使われています。
しかし、この個体は違うものに変更されており、マーチン メンテナンスクリニックで黒澤楽器のスタッフさんに確認したところ、前オーナーが交換した可能性が高いとのことでした。
そのような小さなパーツの変更もあり、販売価格が当時65万円と相場より安かった理由かもしれません。
ネックは「SQネック」で、指板の反りを調整することはできませんが、太く力強いサウンドが特徴で、日本でも人気があります。
Martin D-28 Custom 最大の魅力は、レギュラーモデルにはない木材の組み合わせです。
私の所有する個体は、トップにイングルマンスプルース、サイド&バックにブラジリアンローズウッド(ハカランダ)を採用しています。
イングルマン特有の柔らかく繊細な響きに、ブラジリアンローズウッド(ハカランダ)の重厚で深みのある音色が加わり、唯一無二のサウンドを生み出しています。

僕の個体に関しては、レギュラー品と全く異なるスペックになるね。
カスタムショップの魅力

CTM(カスタム)モデルとは?
今回紹介するギターは、Martinのカスタムショップ(Custom Shop)製モデルです。
楽器店では「CTM」の表記で販売されていることが多く、これはレギュラー品にはない特別仕様モデルを意味します。
通常のレギュラーモデルにはない珍しいカラーやインレイパターンの個体もあれば、見た目はレギュラー品なのに実際にはD-45クラスで使われるグレードが高い木材を使用している場合もあります。
そのため、入荷するとすぐに売り切れてしまうほど人気が高いです。
熟練職人による少数精鋭の製作体制
Martinのカスタムショップが特別といわれる理由は、生産体制の違いにあります。
本社工場では約500〜600人のスタッフがギター製作に携わっていますが、その中でカスタムショップ専属の職人はわずか20名ほどと言われています。
選ばれた熟練クラフトマンによって、木材の選定から仕上げまでが一貫して行われます。
こうした少数精鋭による丁寧な製作が、音の深みや鳴りの良さにつながっています。
価格は高めですが、まさにワンランク上のMartinギターといえます。
オーダー方法は2パターン
Martinカスタムショップには、「楽器店オーダー」と「個人オーダー」の2つのパターンがあります。
楽器店オーダーの場合、年に一度、マーチン本社を訪れ、木材の選定や仕様決定を行います。
※実際には定期的にオーダーしている可能性があります。
一部の楽器店では「マーチン・ファクトリーツアー」としてその様子を公開しており、ファンの間でも注目を集めています。
また、運が良ければ抽選で希少材を使用したギター製作権を獲得できることもあり、完成後は70万〜300万円以上の高額モデルとして販売されることもあります。
個人の場合は楽器店を通して、Martinにオーダーすることになります。
「オーダーなんか自分にはとても無理」と諦める人がいますが、実は3ヶ所の仕様を変更するオーダーが可能です。
例えばトップ材、ポジションマーク、ナット幅を変更など。
変更箇所・仕様にもよりますが、多少の金額アップで、自分だけのカスタムモデルを制作することができます。

近年はレギュラーモデル自体の価格が値上がっているから、なかなかハードルが高くなってしまったね。
ブラジリアンローズウッドとは?
ブラジリアンローズウッドの特徴

ブラジリアンローズウッド(ハカランダ)は、世界中のギターメーカーや演奏家から最高級の木材として評価されています。
その特徴は、他のローズウッドにはない力強くパンチのある音と、深みのある低音域、そしてクリアで抜けの良いサウンドです。
また、見た目にも高級感があり、黒褐色の地に流れるような木目や赤みを帯びた色合いが、唯一無二の存在感を放ちます。
ただし、音の感じ方には個人差があり、ギターの構造や製作年代によっても印象は異なります。
なぜ希少で高価なのか?輸出規制と現状

ブラジリアンローズウッドは、過剰伐採により自生地が激減し、1992年にワシントン条約(CITES)附属書Ⅰに掲載されました。
これは国際取引が原則禁止とされる最も厳しい規制区分であり、現在は新材の輸出入がほぼ不可能です。
市場で流通するものは、規制以前に確保された材や、特別な許可を得たストック材のみということになります。
そのためメーカーやルシアーは、過去に確保した在庫木材を大切に使用して製作を続けています。
ブラジル政府も自国内の伐採を厳格に制限しており、新たな供給は事実上ストップ。
結果として、現存ストックやヴィンテージギターの価値が高騰し、同じモデルでもインディアンローズウッド仕様の数倍で取引されることも珍しくありません。

もっと詳しく知りたい人は下の記事を参考にしてみてね。
Martin D-28 Customをレビュー
ギタリストを魅了するサウンドの実力

購入当初はスペック重視で選んだため、「これだ!」というサウンドではありませんでした。
しかし、弾き込むうちに低音の厚みとサスティーンが増し、次第に響きが豊かになっていきました。
トップ材にはイングルマンスプルースを使用しており、全体的に柔らかく、高音がよく響く印象です。
サイド・バック材にはブラジリアンローズウッド(ハカランダ)が使われており、強いピッキングでも音が潰れず、芯のあるトーンを保ってくれます。
ただし、ブラジリアンローズウッド=「力強くパンチのある音」という特徴は、私の所有する個体では感じられませんでした。
以上のことから、ブラジリアンローズウッドだから良い音(最高の音)とは限らないことを覚えておいた方がいいです。

音の良し悪しは最終的に個人の好みなんだけどね。
演奏性(弾きやすさ)

MartinのD(ドレッドノート)なので、ボディサイズが大きいです。
男性はそれほど苦にならないサイズですが、女性が抱えるのには大変かもしれません。
ネックスケールは645mmで、私が使用しているYAMAHA FG-180、Gibson J-45、GrevenFより、1フレット分くらいスケールが長いため、Martinに持ち替えるとローポジション(1〜3フレット)の扱いにくさを多少感じます。
ナット幅は狭くも、広くもなく、適度な幅なのでフラットピッキングからフィンガースタイルと様々なジャンルで使えるオールマイティーなギターです。
ローズウッドと呼ばれる香り

ブラジリアンローズウッド(ハカランダ)の魅力はサウンド・木目はもちろんですが、香りにあります。
ケースから出した瞬間、甘い香りが部屋中に広がります。
以前、野村義男さんと斎藤誠さんが対談の中で、「良いローズを使っているギターは、ケースを開けたとき、甘〜いローズのにおいが…それだけでつれてかれちゃう」と話していました。
是非、楽器店で香りを確認してみてください。
トラブル・品質について

現在まで、大きな不具合は出ていませんが、「ラッカー塗装のひび割れ」「トップの膨れ」「ブリッジの剥がれ」が発生しました。
品質が高いとされるカスタムショップでも、不具合は出ます。
ブラジリアン仕様の価格相場

中古市場の個体数
私が所有しているD-28 Custom(ブラジリアンローズウッド)は、個体数が少ないです。
1969年以前のD-28(ブラジリアンローズウッド)を探す方が、価格や状態を抜きにすれば簡単です。
現在の中古相場
大前提として、現在はブラジリアンローズウッドでオーダー製作はできません。
そのため中古で探すことなります。
私がこの個体を購入した当時の価格は約65万円でしたが、現在では相場が100万円前後まで上昇しています。
年々ブラジリアンローズウッドの希少性が高まっていることを考えると、今後も価格が上がる可能性があります。
カスタムショップ製のD-28(ブラジリアンローズウッド仕様)は、1969年以前に製造されたオリジナルのD-28よりも比較的手に入りやすい価格帯です。
これは、カスタムショップモデルが「誰かのオーダーによる復刻仕様」であり、製作時期も1980〜2000年代の個体が中心だからです。
D-28 Customはこんな人におすすめ

D-28 Customは、スタンダードモデルとは違ったサウンドクオリティがあります。
使用される木材は選定基準が厳しく、製作はカスタムショップ専属の熟練スタッフが担当します。
個体によってはD-45に使用されるようなグレードが高い材や塗装を使用されることがあるため、完成した時点でそもそもクオリティが高いです。
D-28 Customは、スタンダードモデルでは実現できない独自の仕様を楽しみたい人におすすめです。
木材の組み合わせや装飾、ネック形状、ブレイシングパターンなど、細部まで自由にカスタマイズされた一本は、まさに自分だけのD-28です。
ヴィンテージの名機を再現したモデルや、通常ラインにはない希少材を使用した仕様も多く、カタログモデルとは一線を画す個性を味わえます。
音だけでなく、所有する喜びを求める人にもおすすめです。
FAQ(よくある質問)
- カスタムショップのギターは、通常モデルと音の違いは本当にあるの?
- 使用される木材のグレードや職人の仕上げが異なるため、音の深みや反応性が違います。
ただし、好みや弾き方によって感じ方は変わります。
- オーダーは高額と聞くけど、どのくらいの価格を想定すればいい?
- ベースモデルや木材によりますが、一般的に70万円〜300万円前後が目安かと思います。
現在、D−28のメーカー希望小売価格(税込)が55万円になるため、それにプラス料金がかかることになります。
希少材や装飾を多く使用すれば高額になります。
- オーダーしてからどれくらいで完成する?
- 平均で6〜12か月程度かかります。
注文内容や工房の混み具合によって前後します。
- オーダー時に音の希望を伝えても再現してもらえる?
- 完全再現は難しいですが、木材・ブレーシング構造・弦のテンションなどの選択で「理想の方向性」に近づけることができます。
- 資産価値として考えるのはアリ?
- 希少材や人気モデルであれば価値が上がる可能性はあります。
正直、楽器店がオーダーするものには、奇抜すぎるカラーやデザインの個体がありますが、それらは上がりにくいと思います。
まとめ|カスタムが生む極上の音

Martin D-28 Customの魅力は、レギュラーモデルにはない木材の組み合わせと、カスタムショップならではの丁寧な製作にあります。
トップのイングルマンスプルースが生む柔らかく繊細な響きに、サイド&バックのブラジリアンローズウッド(ハカランダ)が重厚で深みのある音色を加え、唯一無二のサウンドを実現しています。
カスタムショップは、選ばれた熟練職人が少数精鋭で手掛ける特別なラインで、材の選定から仕上げまでが徹底されています。
レギュラー品より価格は高めですが、そのぶん音質・見た目・所有感のすべてを上回ると感じます。
弾き込むほど音が育ち、愛着が増していくのも魅力のひとつです。

カスタムショップは高額だけど、買って損はないよ。
一生モノのギターを探している人に検討してみてね。


